検査項目解説
検査名 | 尿素窒素 |
英検査名 | Urea Nitrogen/Blood Urea Nitrogen/UN |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:ウレアーゼ-GLDH法(8.0~22.0mg/dL) 尿:酵素法(6.5~13.0g/day) |
測定法 | ウレアーゼ-GLDH法、酵素法 |
基準範囲出典 |
SRL 1.森下 芳孝:Medical Technology 26(6):695-700,1998 2.折田 義正 他:日本臨床 53(増):473-477,1995 3.Tietz Textbook of Clinical Chemistry. Fourth edition. Edited by CA Burtis, ER Ashwood, DE Bruns. WB Saunders Company, Philadelphia, 2006;24:801-803 4.Landry DW, Basari H. Approach to the patient with renal disease In: Goldman L, Schafer AI, eds. Goldman-Cecil Medicine. 25th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2016:chap 114. 5.林 松彦:BUN(血清尿素窒素).日医会誌 135:S175,2006 6.大谷 浩ほか:尿素窒素(BUN),クレアチニン.臨床医 28(増刊):976-978,2002 |
解説 |
血中に含まれる尿素中の窒素量を測定するもので、蛋白代謝の最終代謝産物である。尿素はアンモニアから産生されるが、アンモニアは中枢神経系に有毒な物質であり、肝でのアンモニアを尿素に処理する作用は生体にとって極めて重要な機能である。臨床的には腎機能のスクリーニング検査としてクレアチニンと同時に測定し、尿素窒素/クレアチニン比を算定する。尿素窒素は糸球体濾過率(GFR)が30%程度に減少して初めて血中濃度が上昇するので、腎機能以上の早期発見には使えない。 高値(血清):アシドーシス、心不全、消化管出血、腎炎、腎結石、脱水症、尿毒症、尿管閉塞、ネフローゼ症候群、膀胱腫瘍 高値(尿):高蛋白食、悪性腫瘍、感染、外傷、手術 低値(血清):肝硬変末期、劇症肝炎、先端巨大症、中毒性肝炎、尿崩症、薬剤(成長ホルモン、蛋白同化ホルモン、マンニトール) 低値(尿):肝不全、肝硬変末期、高度腎不全、低蛋白食、妊娠 |