検査項目解説
検査名 | クームス試験 |
英検査名 | Coombs' Test |
検体基準範囲 |
EDTA-2Na又はEDTA-2K加血で採血し、速やかに測定するか、室温で保存する。寒冷凝集素の存在が疑われるときは、検体を冷却しない。 血液:陰性 |
測定法 | カラム凝集法 |
基準範囲出典 |
1.浅井 隆善:医学のあゆみ 167(9):700,1993 2.日臨技輸血検査標準法改訂委員会:輸血検査の実際 (日本臨床衛生検査技師会):108-111,1996 3.Jager U, Lechner K. Autoimmune hemolytic anemia. In: Hoffman R, Benz EJ Jr, Silberstein LE, Heslop HE, Weitz JI, Anastasi J, eds. Hematology: Basic Principles and Practice. 6th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2013:chap 44. 4.Michel M. Autoimmune and intravascular hemolytic anemias. In: Goldman L, Schafer AI, eds. Goldman's Cecil Medicine. 25th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2016:chap 160. 5.Rose MG, Berliner N. Disorders of red blood cells. In: Benjamin IJ, Griggs RC, Wind EJ, Fitz JG, eds. Andreoli and Carpenter's Cecil Essentials of Medicine. 9th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2016:chap 47. |
解説 |
直接クームス試験/直接抗グロブリン試験は赤血球表面に結合している免疫グロブリンや補体を検出する検査で、自己免疫性溶血性貧血、血液型不適合妊娠による新生児溶血性疾患、血液型不適合輸血などの患者赤血球に結合している免疫グロブリンや補体の検出を目的とする。臨床的には溶血所見が認められ自己免疫性溶血性貧血が疑われるとき、溶血性輸血副作用が疑われるとき、新生児溶血性疾患が疑われるときに実施される。陽性の場合は直接モノスペシフィッククームス試験を行い、赤血球に結合しているのがIgGか補体(C3あるいはC4)かを明らかにする。また、解離同定試験を行い原因抗体の型特異性を同定する。 直接クームス試験陽性(血清):温式抗体による自己免疫性溶血性貧血、寒冷凝集素症、新生児溶血性疾患、不適合輸血、発作性寒冷ヘモグロビン尿症、薬物誘発性免疫性溶血性貧血 間接クームス試験/間接抗グロブリン試験は血清中の不完全抗体を検出する検査で、輸血関連検査として使われている。臨床的には抗体スクリーニング、不規則抗体の同定、交差適合試験クームス法としての輸血前検査、溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患などの同種抗体の存在が疑われるとき、妊娠初期の検査として実施される。 間接クームス試験陽性(血清):温式抗体による自己免疫性溶血性貧血、妊娠・分娩・輸血による同種免疫、寒冷凝集素症、発作性寒冷ヘモグロビン尿症 |