検査項目解説
検査名 | 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン負荷試験/TRH負荷試験 |
英検査名 | Thyrotropin-releasing Hormone Test |
検体基準範囲 | 血清:成長ホルモン GHの奇異反応を見る負荷試験として、実施した場合GHが前値の2倍以上増加(平均して基礎値より10~15μU/mL増加)すれば奇異反応ありとする。健常者はTRH投与後、15~30分でピーク値に達する。プロラクチン 前値の2倍以上で、かつ女性ピーク値30~60ng/mL、男性ピーク値15~30ng/mLを満たす。甲状腺刺激ホルモン 前値の2倍以上ないしピーク値20μU/mL以上で正常とする。 |
測定法 | TRH200μgを静注し、投与前、投与後15,30,45,60,120分に採血しGH,PRL,TSHを測定する。 |
基準範囲出典 | 1.朝倉由美:TRH負荷試験.小児科 48:1511-1515,2007 |
解説 |
健常者ではTRH投与にGHは反応しないが、先端巨大症の約2/3はGHの上昇がみられ、樹状は不明であるが奇異反応とされている。また、TRHは下垂体前葉のPRL産生細胞に作用し、PRLの分泌を促進する。このため、TRHに対するPRLの反応低下は、視床下部障害ではなく、下垂体自体に原因がある下垂体機能低下症であることが分かる。TRHに対するTSHの反応低下は甲状腺機能亢進状態や下垂体機能低下症で見られる。 GHの奇異反応あり:先端巨大症、肝硬変、腎不全、うつ病、糖尿病 PRLの反応低下:下垂体機能低下症 TSHの反応低下:甲状腺機能亢進症、下垂体前葉機能低下症 |