検査項目解説
検査名 | 糖鎖欠損トランスフェリン:トランスフェリン比 |
英検査名 | CDT:Transferrin Ratio/Carbohydrate-deficient Transferrin:Transferrin Ratio |
検体基準範囲 |
検体は分離後速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:%CDT 1.24~2.16 アルコール性肝障害のカットオフ値 2.00 トランスフェリン 男性 190~300mg/dL 女性 200~340mg/dL |
測定法 |
CDT:ネフェロメトリー トランスフェリン:免疫比濁 |
基準範囲出典 | 1.山田 真子 他:アルコールと医学生物学 29:72-77,2010 |
解説 |
CDTはトランスフェリンに結合している多糖類の糖鎖が欠損したトランスフェリンアイソフォームでアルコールの長期間大量摂取で血中に増加するとされている。一般的にはエタノール50~60グラム(日本酒3合)を2週間にわたり摂取し続けるとCDTの上昇がみられる。このため、CDT測定は禁酒のモニタリングとしてγ-GTと共に習慣性飲酒者のマーカーとして有用性が認められている。また、CDTはγ-GTが上昇しない習慣飲酒者でも上昇するため、相互に補完的なマーカーとして有用性がある。但し、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肝不全、先天性糖鎖合成異常症候群、妊婦でも高値になるとの報告がある。 高値(血清):アルコール性肝障害 |