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検査項目解説

検査名 2,3-ジホスホグリセレート/2,3-ジホスホグリセリン/2,3-ビスホスホグリセリン酸
英検査名 2,3-Diphosphoglycerate/2,3-DPG
検体基準範囲 全血:検体はヘパリン採血し、0.6N過塩素酸で徐蛋白した上清を用いる。過塩素酸と血液の割合は5:1の体積比にする。運動により高値となる。検体は速やかに測定するか、凍結保存する。
全血:男性(1.74~2.26μmol/mL)、女性(1.52~2.08μmol/mL)
赤血球:男性(3.67~5.01μmol/mLRBC)、女性(3.84~5.34μmol/mLRBC)
ヘモグロビン:男性(10.75~14.77μmol/g Hb)、女性(11.69~15.25μmol/g Hb)
測定法 UV
基準範囲出典 1.高木 康:日本臨床 53(増):229-233,1995
2.高木 康ほか:2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG).日本臨牀 53(増刊 広範囲血液・尿化学検査,免疫学的検査):229-233,1995
解説 2,3-DPGは解糖系の中間代謝産物で赤血球内に存在し1:1のモル比でヘモグロビンと結合し、ヘモグロビンの酸素解離曲線を左右にシフトして組織への酸素供給を調節している。増加するとBohr効果によりヘモグロビンの酸素解離曲線が右にシフトしヘモグロビンから酸素が解離し易くなり、この生理作用により組織への酸素供給が調節される。臨床的にはチアノーゼを呈する先天性心疾患やうっ血性心不全を伴う心疾患で、低酸素の程度や病態の評価として有用とされる。赤血球酵素異常や糖尿病ケトアシドーシスでは2,3-DPGは大きく変動する。糖尿病ケトアシドーシス患者では、血液pHの低下によりホスホフルクトキナーゼ活性が阻害されるために2,3-DPGが著減する。
高値(赤血球):うっ血性心疾患、肝硬変、喫煙者、甲状腺機能亢進症、再生不良性貧血、喘息、チアノーゼ性先天性心疾患、鉄欠乏性貧血、糖尿病、嚢胞性線維症、肺癌、ピルビン酸キナーゼ欠損症貧血、慢性腎不全、慢性肺疾患、溶血性貧血
低値(赤血球):遺伝性球状赤血球症、急性呼吸促迫症候群、赤血球ホスホフルクトキナーゼ欠損症、代謝性アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシス、ヘキソキナーゼ欠乏症、保存血輸血

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