検査項目解説
検査名 | 17-ケトステロイド7分画/17-KS7分画 |
英検査名 | 17-Ketosteroids 7 Fractions |
検体基準範囲 |
24時間蓄尿: 24時間冷暗所トルエン蓄尿し、速やかに測定するか、冷蔵保存する。酸性蓄尿は避ける。 アンドロステロン(単位:mg/day) 男性(1.10~4.20)女性(0.40~3.00) エチオコラノロン 男性(0.55~2.60)女性(0.30~2.50) デヒドロエピアンドロステロン 男性(0.12~5.20)女性(0.04~2.60) 11-ケトアンドロステロン 男性(0.12以下)女性(0.07以下) 11-ケトエチオコラノロン 男性(0.04~0.65)女性(0.03~0.50) 11-O |
測定法 | GC-MAS |
基準範囲出典 |
1.石田 孝 他:臨床化学 15(1):13~19,1986 2.岡谷 裕二:日本臨床 53(増):421~424,1995 3.大庭 功一 他:内科 111:1526-1527,2013 4.柳瀬敏彦ほか:尿中17-KSとその分画.臨床医 28(増刊):1105-1107,2002 |
解説 |
17-KSは11-deoxy-17-KSと11-oxy-17-KSに分けられ、11-deoxy-17-KSは副腎と睾丸由来のアンドロステロン、エチオコラノロン、デヒドロエピアンドロステロンの3分画に、また11-oxy-17-KSは糖質コルチコイド由来の11-ケトアンドロステロン、11-ケトエチオコラノロン、11-OHアンドロステロン、11-OHエチオコラノロンの4分画に分けられる。これら7分画の尿中の1日排泄量を知ることにより、男性では2/3が副腎由来、1/3が睾丸由来と考えられているので、副腎性アンドロゲンとテストステロンの分泌と代謝が、女性や小児では殆どが副腎由来なので、副腎性アンドロゲンの分泌と代謝に関する情報が得られ、視床下部-下垂体-副腎系あるいは視床下部-下垂体-性腺系の機能を知ることができる。臨床的にはクッシング症候群、副腎癌、先天性副腎過形成などの疾患を疑うときに測定する。副腎癌とCushing症候群ではエチオコラノロン/アンドロステロン比が大で、DHEAは癌で非常に高く、腺腫、過形成では癌に比べ低値を示す傾向がある。 アンドロステロン高値(蓄尿):Cushing症候群、甲状腺機能亢進症、多嚢胞性卵巣症候群、精巣腫瘍、先天性副腎皮質過形成(21-OH lase欠損症,11β-OH lase欠損症)、卵巣腫瘍、 アンドロステロン低値(蓄尿):甲状腺機能低下症、性腺機能低下症 エチオコラノロン高値(蓄尿):Cushing病、甲状腺機能低下症 エチオコラノロン低値(蓄尿):甲状腺機能亢進症 DHEA高値(蓄尿):クッシング病、異所性ACTH産生腫瘍、先天性副腎皮質過形成、多嚢胞性卵巣、副腎癌 DHEA低値(蓄尿):副腎機能低下症 |