検査項目解説
検査名 | 抗デスモグレイン1抗体/抗Dsg1抗体 |
英検査名 | Anti-Desmoglein 1 Autoantibody |
検体基準範囲 |
血清分離後速やかに測定するか、冷蔵保存する。不活化検体は使用でない。 血清:陰性 20.0U/mL未満 |
測定法 | CLEIA |
基準範囲出典 |
1.Amagai M, Tsunoda K, Zillikens D, et al: The clinical phenotype of pemphigus is defined by the anti-desmoglein autoantibody profile. J Am Dermatol 1999 Feb;40(2 Pt 1):167-170 2.Amagai M, Komai A, Hashimoto T, et al: Usefulness of enzyme linked immunoabsorbent assay using recombinant desmogleins 1 and 3 for sero-diagnosis of pemphigus. Brit J Dermatol 1999 Feb;140(2):351-357 3.Harman KE, Gratin MJ, Bhogal SJ, et al: The clinical significance of autoantibodies to desmoglein 1 in 78 cases of pemphigus vulgaris. J Invest Derm 1999;115:568 4.吉田かおり 他:医学と薬学 70(5・6):989-1000,2013. 4.布袋 祐子 他:臨床皮膚科 53-13-1081~1086 1999 |
解説 |
この検査の目的は天疱瘡抗原であるデスモグレイン1に対するIgG自己抗体の検出である。天疱瘡は細胞間接着因子のデスモグレイン1あるいはデスモグレイン3に対する自己抗体によって細胞間の接着が障害されて水疱を形成する疾患である。抗Dsg 1抗体は天疱瘡の落葉状天疱瘡と粘膜皮膚型尋常性天疱瘡で陽性になり、粘膜優位型尋常性天疱瘡では陰性になる。このため抗Dsg 1の測定は天疱瘡の臨床型の鑑別の際に行われる。また、落葉状天疱瘡の病勢と並行して推移するので、病勢のモニタリングに有用とされている。抗デスモグレイン1抗体陰性、抗デスモグレイン3抗体が陰性の場合は、他の疾患又は健常者で、陽性の場合は尋常性天疱瘡である。抗デスモグレイン1抗体陽性、抗デスモグレイン3抗体が陰性の場合は、落葉状天疱瘡で陽性の場合は尋常性天疱瘡である。 陽性(血清):落葉状天疱瘡、粘膜皮膚型尋常性天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡 |