検査項目解説
検査名 | 抗p53抗体 |
英検査名 | Anti-p53 Antibodies/p53 Autoantibodies |
検体基準範囲 |
血清分離後速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:1.30U/mL以下 |
測定法 | CLEIA |
基準範囲出典 |
1.島田 英昭 他:日本臨床外科学会雑誌 64(7):1551-1559,2003 2.梶川 純子 他:医学と薬学 63(3):523-527,2010 3.竹田明彦ほか:大腸癌に対する血清p53抗体測定の有用性と臨床的意義.日本大腸肛門病会誌 60:198-204,2007 |
解説 |
この検査の目的は食道癌、大腸癌、乳癌の早期診断である。p53はアポトーシス誘導、遺伝子修復、細胞周期回転抑制などの生理機能を持ち、癌抑制遺伝子としての働きを持つ。胃、大腸、食道、肺、脳などの多くの悪性腫瘍ではp53遺伝子が変異により失活し、変異p53蛋白が産生され抗p53抗体が出現する。抗p53抗体は癌細胞特異抗原に対する抗体であること、癌細胞が微量であっても検出が可能なことから、臨床的には癌の早期発見と再発モニタリングに有用とされている。ただし、癌患者であっても抗p53抗体が検出されない偽陰性の場合がある。陽性の場合は病理組織検査で腫瘍細胞のp53遺伝子変異の有無を確認する。 陽性(血清):食道癌、大腸癌、乳癌、肝癌、膵癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、悪性リンパ腫 |