検査項目解説
検査名 | 動脈血pH |
英検査名 | Arterial Blood pH |
検体基準範囲 |
ヘパリン加動脈血は採血後速やかに測定する。保存不可。 動脈血:7.35~7.45 |
測定法 | 検圧計法・分光光度法 |
基準範囲出典 |
1.Kraut JA, Madias NE: Approach to patients with acid-base disorders. Respir Care 2001;46:392-403 2.Malley MJ: Clinical Blood Gases Assessment and Intervention. Second edition, Elsevier Saunders, St. Louis, MO, 2005 3.Ernst A, Zibrak JD: Carbon monoxide poisoning. N Eng J Med 1998;339:1603-1608 4.奥田俊洋:酸塩基平衡障害.飯野靖彦(編);水・電解質がわかる輸液ケア.中山書店,pp94-102,2006 |
解説 |
血液ガス分析の一つでO₂分圧(Po₂)、CO₂分圧(Pco₂)と同時に測定し、酸塩基平衡の全体的な評価を行う。臨床的には動脈血が酸血症かアルカリ血症かを知り、酸塩基平衡に異常をきたしている患者のコントロールに用いる。健常者のpHは7.35から7.45の狭い範囲内に維持されているため、7.00以下、7.80以上では生命維持ができない。 パニック値(高値PH):7.6以上 高値(動脈血PH):Bartter症候群、Cushing症候群、低K血症、呼吸性アルカローシス、代謝性アルカローシス、肺塞栓症、甲状腺機能亢進症、嘔吐、ミルクアルカリ症候群、肝性昏睡、器質的中枢神経疾患、発性過換気症候群 高値(動脈血PH):呼吸性アルカローシス(Pco₂低下):肝性昏睡、器質性中枢神経疾患、甲状腺機能亢進症、特発性過換気症候群、肺塞栓症 高値(動脈血PH):代謝性アルカローシス(HCO₃‾上昇):Bartter症候群、Cushing症候群、Milk-alkali症候群、嘔吐、低K血症 パニック値(低値)7.1未満 低値(動脈血PH):Pickwickian症候群、腎不全、肺線維症、呼吸性アシドーシス、代謝性アシドーシス、乳酸アシドーシス、下痢、糖尿病ケトアシドーシス、慢性閉塞性肺疾患、尿毒症、肺水腫、肺性心 低値(動脈血PH) 呼吸性アシドーシス(Pco₂上昇):Pickwickian症候群、肺水腫、肺線維症、肺性心、慢性閉塞性肺疾患 低値(動脈血PH)代謝性アシドーシス(HCO₃⁻低下):下痢、腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、乳酸アシドーシス |