検査項目解説
検査名 | AST:ALT比 |
英検査名 | Aspartate Aminotransferase:Alanine Aminotransferase Ratio |
検体基準範囲 | 血清:0.8以下 |
測定法 | JSCC標準化対応法 |
基準範囲出典 |
1.最新 臨床検査項目辞典 医歯薬出版株式会社 2008 2.三浦 裕:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT).日本臨牀 57(増刊 広範囲血液・尿化学検査,免疫学的検査 1):320-325,1999 |
解説 | AST/ALT比を算定することにより肝の病態評価に用いる。1.急性肝炎:大量の肝細胞が破壊されるためAST,ALTは500U/L以上になるが、肝細胞の含有量を反映し初期はAST>ALTとなる。極期を過ぎると半減期の長いALTが残るためAST<ALTとなる 2.劇症肝炎:肝細胞壊死が高度であるためAST,ALTは2,000U/Lを超える。肝含有量とAST-mの逸脱でAST>ALTとなる 3.慢性肝炎、脂肪肝:AST,ALTは中等度に上昇するが半減期の差によりAST<ALTとなる 4.肝硬変:肝細胞が減少するのでAST,ALTの上昇は軽度であり、更に細胞内のALT活性が低下するためAST>ALTになる 5.アルコール性肝障害:障害がミトコンドリアにも及ぶためAST>ALTとなる。 |