検査項目解説
検査名 | 5'-ヌクレオチダーゼ |
英検査名 | 5'-Nucleotidase/5'-Ribonucleotide Phosphohydrolase |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定する。 血清:2~9U/L 赤血球 リンパ球 関節液 |
測定法 | 酵素法(Boothma法) |
基準範囲出典 |
1.戸田剛太郎 他:肝臓の研究I pp250-260 同文書院、1987 2.Fairbanks VF et al:Tietz Textbook of Clinical Chemistry. 3rd Ed Philadelphia, WB Saunders Co. pp 1642-1647,1999 3.Pratt DS. Liver chemistry and function tests. In: Feldman M, Friedman LS, Brandt LJ, eds. Sleisenger & Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease. 9th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2010:chap 73. |
解説 |
この検査は閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ滞のマーカーとして測定する。5'-NDはヌクレオチドを加水分解する酵素でMgとMnで活性化される。下垂体後葉に最も多く存在するが、甲状腺、精巣、肝、腎、大動脈等にも分布している。ALP、γ-GT、LAPと共に胆道系酵素と呼ばれている。臨床的には肝の毛細胆管に結合している酵素が胆管閉塞が起こると血中に逸脱するので、閉塞性肝疾患の診断に有用である。閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ滞のマーカーである。測定は同じ胆道系酵素であるALP、γ-GT、LAPと共に行い値を比較することが望ましい。 高値(血清):Gaucher病、悪性リンパ腫、アルコール性肝硬変、アメーバ症、ウイルス性肝炎、鎌形赤血球症、肝細胞障害、肝硬変、肝癌、肝細胞癌、肝外胆管閉塞、関節リウマチ、急性B型肝炎、急性・亜急性肝壊死、急性胆嚢炎、原発性胆汁性肝硬変、サルコイドーシス 住血吸虫症、膵癌、全身性エリテマトーデス、粟粒結核、胆汁うっ滞、胆管炎、転移性肝癌、敗血症、非ホジキンリンパ腫、ヒストプラスマ症、ブルセラ症、ヘモクロマトーシス、閉塞性肝疾患、ホジキンリンパ腫、慢性活動性肝炎、薬剤性肝炎 高値(関節液):関節リウマチ 低値(赤血球):β-Thalassemia、鉛中毒 低値(リンパ球):悪性リンパ腫、関節リウマチ、伝染性単核球症、慢性リンパ性白血病、免疫不全症 |