検査項目解説
検査名 | カルシウム |
英検査名 | Calcium/Calcium,Complexed/Ca |
検体基準範囲 |
検体採取後速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:8.5~10.2mg/dL |
測定法 | MXB |
基準範囲出典 |
1.根占 哲也:都臨技会誌 34(5):270-281,2006 2.赤津 拓彦:日本臨床 57(S2):239-242,1999 3.Tietz Textbook of Clinical Chemistry, Edited by CA Burtis, CR Ashwood. WB Saunders Company, Philadelphia, 1994 4.Baldwin TE, Chernow B: Hypocalcemia in the ICU. J Crit Illness 1987;2:9-16 5.Dumitru C, Wysolmerski J. Disorders of calcium metabolism. In: Alpern RJ, Moe OW, Caplan M, eds. Seldin and Giebisch's The Kidney. 5th ed. Philadelphia, PA: Elsevier; 2013:chap 66. 6.Leone KA. Calcium, magnesium, and phosphorus. In: Adams JG, ed. Emergency Medicine: Clinical Essentials. 2nd ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2013:chap 166. |
解説 |
Caは生体内に最も多量に存在する無機質で、99%以上が骨と歯に、1%程度が骨格筋と細胞外液に存在する。血中では50%以上が遊離型(イオン化カルシウム )で、残りがアルブミンやカルシウム塩と結合している。血中のCa量は副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンDでコントロールされている。Ca濃度が低下すると、PTHの分泌が刺激され、分泌されたPTHは腎でビタミンDを活性化する。また、PTHは骨からCaの放出を促し、活性化されたビタミンDは腸管でCa吸収を亢進させ、腎でのCa細吸収を増加させる。臨床的にはPTHやビタミンDの量的異常、副甲状腺疾患、腎疾患、甲状腺疾患で、Ca異常をきたしていることが疑われる場合や骨代謝障害などの時に測定される。血清総Ca測定時には必ず血清アルブミンを測定し、Payneの式により補正する。補正Ca値(mg/dL)=血清総Ca値(mg/dL)+4-血清アルブミン値(g/dL) パニック値:6mg/dL以下 12mg/dL以上 高値(血清):サルコイドーシス、 カルシウム排泄障害、ミルクアルカリ症候群、悪性腫瘍、悪性腫瘍の骨転移、褐色細胞腫、急性副腎不全、慢性腎不全、多発性骨髄腫、ビタミンD過剰、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、先端巨大症、副腎皮質機能低下症、低リン酸血症 低値(血清):低Ca血症性テタニー、アミロイドーシス、急性膵炎、低Mg血症、敗血症、副甲状腺機能亢低下症、骨軟化症、ビタミンD欠乏症、乳癌、多発性骨髄腫、アルコール中毒、ネフローゼ症候群、急性腎不全、慢性腎不全、腎移植 |