検査項目解説
検査名 | 補体価/CH50 |
英検査名 | 50% Hemolytic Unit of Complement/Complement,Total/Complement CH50 |
検体基準範囲 |
血清分離は速やかに行い、保存する場合は-70℃で冷凍保存する。肝疾患やクリオグロブリン血症の血清は試験管内で補体活性化を起こすことがあるので、EDTA加採血が望ましい。 血清:25.0~48.0CH50/mL |
測定法 | Mayer法、相対比濁法 |
基準範囲出典 |
1.中藤 聡子 他:臨床検査機器・試薬19(4):609-913,1996 2.近藤 元治:臨床免疫 18(7):616-622,1996 3.西川 和裕:日内会誌 97:948-954,2008 4.Ross SC, Densen P: Complement deficiency states and infection: epidemiology, pathogenesis and consequences of neisserial and other infections in an immune deficiency. Medicine 1984;63:243-273 5.Frank MM: Complement in the pathophysiology of human disease. N Engl J Med 1987;316:1525-1530 6.Yamamoto S, Kubotsu K, Kida M, et al: Automated homogeneous liposome-based assay system for total complement activity. Clin Chem 1995;41:586-590 |
解説 |
この検査の目的は補体系活性の全体的な把握である。補体は抗原抗体反応により活性化される古典的経路と、菌体成分やエンドトキシンにより活性化される副経路がある。CH50は古典的経路と副経路を介したものを総合的に表わすので、疾患への補体系の関与が推測出来る。臨床的には低補体価が重要で、低下の原因は、1.免疫複合体による補体系の活性化 2.補体成分の産生低下 3.異化亢進 4.先天的補体欠損である。臨床的には古典的経路の活性化による低下が、全身性エリテマトーデス、悪性関節リウマチ、結合組織病、自己免疫性溶血性貧血などで見られる。また、補体第2経路活性化による低値は、急性糸球体腎炎、膜性増殖性腎炎、エンドトキシンショックなどで見られる。産生低下は肝硬変、劇症肝炎、補体成分欠損症で見られる。異常値を見た場合はC3、C4、免疫複合体などを経過を追って測定する。高補体価より低補体価が臨床的には重要である。 高値(血清):Muckle-Wells症候群、Sarcoma、Wegener肉芽腫、悪性腫瘍、炎症性疾患、関節リウマチ、血管炎症候群、リウマチ熱、ホジキンリンパ腫、急性白血病 低値(血清):Partial Lipodystrophy、劇症肝炎、肝硬変、慢性肝炎、ルポイド肝炎、急性糸球体腎炎、 膜性増殖性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、ネフローゼ症候群、補体成分欠損症、慢性関節リウマチ、クリオグロブリン血症、遺伝性血管浮腫、C2欠損症、神経性食欲不振症、血管炎、エンドトキシンショック、自己免疫性溶血性貧血 |