検査項目解説
検査名 | 酸性ホスファターゼ |
英検査名 | Acid Phosphatase |
検体基準範囲 |
測定は血清分離後速やかに行う。すぐに測定出来ない時は、pHを6.2~6.6に調整し4℃で保存する。血清:14.4U/L以下 骨髄 髄液 赤血球 関節液 |
測定法 | DCAP-P基質法 |
基準範囲出典 |
1.吉田 俊彦 他:第7回日本臨床化学会分析部会関東支部学術集会講演会抄録集 :48-51,1989 2.石部 知行:日本臨床 38(春増):1340-1349,1980 3.東間 絋ほか:酸ホスファターゼ.日医師会誌 135(特別2):S141,2006 |
解説 |
ACPはアルカリホスファターゼと同様にリン酸モノエステルを加水分解する酵素であるが、触媒反応がpH5という酸性条件下で行われるという違いがある。臓器分布は赤血球、血小板、肝、骨、脾、腎、前立腺などで5種のアイソザイムが存在し、細胞虚血により血中に逸脱する。前立腺に含まれる前立腺酸性ホスファターゼはL-酒石酸により活性が阻害されるという特徴があり、臨床的に前立腺癌の腫瘍マーカーとして測定される。骨吸収疾患では破骨細胞に由来するACPが骨代謝の指標として測定される。測定に際しては、赤血球に多量に含まれるため溶血を避けること、血清室温放置によるpHのアルカリ化による失活に注意する。 高値(血清):Amyloidosis、Friedrech' Ataxia、Gaucher病、Hairy Cell白血病、Niemann-Pick病、Paget病、鎌状赤血球症、真性多血症、特発性血小板減少性紫斑病、慢性骨髄性白血病、骨髄線維症、急性腎不全、慢性腎不全、原発性副甲状腺機能亢進症、原発性骨腫瘍、転移性骨腫瘍、骨形成不全、変形性骨炎、大理石病、細網肉腫、前立腺癌、前立腺肥大、前立腺炎、乳癌、多発性骨髄腫、閉経後骨粗鬆症、肺癌、非ホジキンリンパ腫、糖尿病、家族性高リン血症、アミロイドーシス、動脈血栓症、血栓性静脈炎、 高値(尿):慢性腎不全 高値(骨髄):前立腺癌、転移性骨腫瘍 高値(髄液):脳萎縮 高値(赤血球):慢性腎不全 高値(白血球):マクログロブリン血症 低値(血清):Down症候群 低値(関節液):関節リウマチ |