検査項目解説
検査名 | アデノシントリホスフェート/アデノシン三リン酸 |
英検査名 | Adenosine Triphosphate |
検体基準範囲 |
赤血球はヘパリン採血し過塩素酸で除蛋白した上清、血小板はクエン酸採血した多血小板血漿を検体にする。検体は速やかに測定する。 血漿:400~1,500nM 尿:1.77~7.7nM 赤血球:1,266.5~1,435.5nmol/mL・RBC 血小板:6.01~7.49μmol/10*11・PLT |
測定法 | ルシフェリン-ルシフェラーゼ法 |
基準範囲出典 | 1.森 和夫ほか:血小板ATP,ADP,セロトニン.臨床病理71(臨増):165-182,1987 |
解説 |
この検査の目的は遺伝性溶血性貧血、先天性血小板異常症、血小板放出機構異常症などの診断である。ATPは生体のエネルギー保存と利用に関与し、全ての細胞が高エネルギー源として利用している。また、神経伝達物質、末梢組織血流調節、痛覚伝達、男性機能への関与なども明らかにされている。臨床的には血漿ATPは虚血、低酸素血症、赤血球酵素異常による溶血性貧血などで、また尿中ATPは尿細管障害、尿路感染症などで測定される。 高値(尿):尿路感染症 高値(血液):慢性腎不全 低値(血漿):遺伝性溶血性貧血、腎尿細管障害 低値(血液):敗血症、サラセミア |