検査項目解説
検査名 | エステル型コレステロール/コレステロールエステル |
英検査名 | Cholesterol Esters/Cholesterol,Esterified |
検体基準範囲 |
検体採取後速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:90~200mg/dL |
測定法 | コレステロール脱水素酵素(UV)法 |
基準範囲出典 |
1.Richmond W:Clinical Chemistry 19(12):1350-1356,1973 2.宇治 義則 他:日本臨床 53(増):615-616,1955 3.Glomset JA, Assmann G, Gjone E, Norum KR: Lecithin: cholesterol acyltransferase deficiency and fish eye disease. In The Metabolic Basis of Inherited Disease. Seventh edition. Edited by CR Scriver, AL Beaudet, WS Sly, D Valle. New York, McGraw-Hill Book Company, 1995, pp 1933-1951 4.張 波ほか:LCATの作用とFERHDLの臨床的意義.医学のあゆみ別冊 高脂血症と動脈硬化.医歯薬出版,2002,pp117-121 |
解説 |
この検査はレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)活性の間接的評価に用いる。ECは血中コレステロールの70~80%を占め、脂肪酸とエステル結合しLDLやHDLなどのリポ蛋白粒子内に存在している。また、肝細胞や末梢組織内でもコレステロールはECとして貯蔵されている。コレステロールは動脈硬化の危険因子とされているが、動脈硬化の成因は血管壁でマクロファージがECを大量に蓄積し泡沫化することによるとされている。臨床的には動脈硬化に関係する脂質代謝異常疾患を疑う場合に測定する。 高値(血清):broad-β病、Wolman病、アルコール性肝障害、家族性高コレステロール血症、甲状腺機能低下症、脂肪肝、糖尿病、妊娠、ネフローゼ症候群、閉塞性黄疸 低値(血清):Chiari-Frommel症候群、LCAT欠損症、Sheehan症候群、Simmonds病、重症肝障害、神経性食欲不振症、早発卵巣不全、胎盤機能不全、閉経、卵巣機能不全、卵巣低・無形成 |