検査項目解説
検査名 | エチオコラノロン |
英検査名 | Etiocholanolone/3α-Hydroxy-5β-Androstan-17-one/5β-Androstan-3α-ol-17-one |
検体基準範囲 |
血漿は検体採取後速やかに測定する。尿はトルエン蓄尿し速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:男性(0.0151~0.221ng/mL)、女性(0.070~0.440ng/mL) 尿:男性(0.04~2.8mg/day)、女性(0.04~1.1mg/day) |
測定法 | RIA、GC/MS法(酵素水解法) |
基準範囲出典 |
1.石田 孝 他:臨床化学 15(1):13-19,1986 2.岡谷 裕二:日本臨床 53(増):421-424,1995 3.伊藤 聡:アンドロステロン,エチオコラノロン.最新臨床検査項目辞典.医歯薬出版,2008,pp398-400 |
解説 |
エチオコラノロンは精巣から分泌されるテストステロンと、副腎から分泌されるデヒドロエピアンドロステロンを原料として肝で産生される男性ホルモンの代謝産物で、尿中に排泄される。尿ではアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロンと同様に17-ケトステロイド(17-KS)としても測定される。臨床的には視床下部-下垂体-副腎皮質系、精巣、卵巣、男性ホルモン代謝系の異常を疑うときのスクリーニング検査として用いる。異常値を見た場合はエチオコラノロンの調節因子であるACTH、コルチゾール、アルドステロン、性ステロイドとその中間代謝産物を測定する。また、甲状腺機能のチェックも忘れない。 高値(尿):11β-水酸化酵素欠損症、21-水酸化酵素欠損症、甲状腺機能低下症、多嚢胞性卵巣、男性化副腎腫瘍 低値(尿):17α-水酸化酵素欠損症、Prader症候群、甲状腺機能亢進症 |