検査項目解説
検査名 | フィブリン・フィブリノゲン分解産物/線維素分解産物 |
英検査名 | Fibrin and Fibrinogen Degradation Products/Fibrin Degradation Products/FDP |
検体基準範囲 |
3.2%クエン酸血漿を検体とし、速やかに測定するか、凍結保存する。尿は抗プラスミン剤入り容器に採尿し、速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:ラテックス免疫比濁法(10μg/ml以下)、EIA(5μg/ml以下) 尿:100ng/mL以下 |
測定法 |
血漿:ラテックス免疫比濁法、EIA 尿:LPIA |
基準範囲出典 |
1.長野 美恵子 他:医療と検査機器・試薬 27(1):23-29,2004 2.高田 章美 他:医学検査 53(5):761-766,2004 3.川合陽子:架橋化フィブリンポリマーおよびそのプラスミン分解産物.日本臨牀 68(増刊):680-684,2010 |
解説 |
FDPは線溶現象によって分解されたフィブリンとフィブリノゲンのプラスミンによる分解産物の総称である。プラスミンはフィブリノゲンよりフィブリンを多く分解するので、血中FDPの大部分はフィブリン分解によるものである。このためFDPは血管内で凝固したフィブリン量を反映しているとされる。臨床的には線溶亢進状態、凝固亢進状態を疑う時、播種性血管内凝固症候群や血栓症の診断と経過観察、血栓溶解療法の指標に用いられる。異常値を見た場合は血小板数、D-ダイマー、フィブリノゲン、プラスミンインヒビター、TAT、プロトロンビンF1+F2などを測定し、一次線溶と二次線溶の鑑別や線溶亢進の原因を追究する。 高値(血清):播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、肝硬変、筋肉内血種、凝固亢進状態、血栓性血管内凝固症候群、線溶療法時皮下血種、腹水・胸水貯留、溶血性尿毒症症候群、血栓症、ショック、大動脈瘤、敗血症、心房細動、悪性腫瘍 高値(尿):播種性血管内凝固症候群、糸球体腎炎、腎移植拒絶反応、妊娠高血圧症候群、ネフローゼ症候群 |