検査項目解説
検査名 | 遊離トリヨードサイロニン/フリーT3/遊離T3/遊離トリヨードチロニン |
英検査名 | Free Triiodothyronine/Tri-Iodothyronine,Free/Tri-Iodothyronine,Free(fT3) |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:2.30~4.30pg/mL |
測定法 | ECLIA |
基準範囲出典 |
1.楚南 盛正 他:医学と薬学 46(5):759-771,2001 2.Demers LM, Spencer Cl: The thyroid: pathophysiology and thyroid function testing. In Tietz Textbook of Clinical Chemistry and Molecular Diagnostics. Fourth edition. Edited by CA Burtis, ER Ashwood, DE Bruns. St. Louis, Elsevier Saunders Company. 2006, pp 2053-2087 3.FT3 Validation 2005 and AIA Retrospective Validation V-139, 2009. Unpublished data |
解説 |
FT3は総トリヨードサイロニンのわずか0.3であるが、甲状腺ホルモン作用を発揮する活性型ホルモンで標的細胞のT3受容体に結合して生物学的作用を発現する。T3の80%はT4の脱ヨード反応で生成されるので、T3測定は末梢組織でのT4代謝の指標にもなる。臨床的には甲状腺機能異常を疑う場合、甲状腺機能亢進症の再発を疑うときや甲状腺疾患の治療効果のモニタリングとして測定する。甲状腺機能異常を疑う場合はTSH、FT4とともに測定するが、FT3が基準範囲内でもTSHが増加していれば機能低下状態と考えてよい。 高値(血清):Basedow病、Plummer病、TSH産生腫瘍、亜急性甲状腺炎、急性化膿性甲状腺炎、甲状腺ホルモン不応症、出産後一過性甲状腺中毒症、無痛性甲状腺炎、薬剤(T3製剤過剰投与) 低値(血清):栄養不良、神経性食欲不振症、重症消耗性疾患、続発性甲状腺機能低下症、低T3血症、特発性粘液水腫、橋本病 |