検査項目解説
検査名 | グルタミン酸脱水素酵素 |
英検査名 | Glutamate Dehydrogenase/L-Glutamate |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定するか、3日を限度に冷蔵保存する。 血清:0.3~11.4IU/L/37℃ |
測定法 | UV(GSCC勧告法) |
基準範囲出典 | 1.今井利夫:グルタミン酸脱水素酵素(GLDH).日本臨牀 62(増刊11 広範囲血液・尿化学検査,免疫学的検査 1.第6版):426-429,2004 |
解説 |
GLDHは酸化還元酵素の一種で、細胞内のアミノ酸代謝、蛋白代謝に重要な役割を持つ。肝に多量に存在するが、腎、脳、大腸などにも分布している。細胞内では大部分がミトコンドリアに存在するため、ミトコンドリア障害の指標として用いられる。臨床的には細胞障害がミトコンドリアまで及ぶ急性肝炎劇症化の推定の際に検査される。GLDHはミトコンドリア内に分布し、細胞膜透過性の亢進などの軽度の細胞障害では血中に遊出しないため、血中で高値になれば障害がミトコンドリアまで及んだ証明となる。また、AST/GLDHの比を求めると急性肝炎>慢性肝炎>肝硬変>うっ血肝の順になるので、急性肝炎劇症化の指標となる。 高値(血清):肝硬変、急性肝炎、アルコール性肝炎、うっ血肝、慢性肝炎急性増悪、急性心筋梗塞、肺癌、肺化膿症、糖尿病性アシドーシス、アルコール中毒 |