検査項目解説
検査名 | 11-ヒドロキシコルチコステロイド |
英検査名 | 11-Hydroxycorticosteroids/11-OHCS |
検体基準範囲 |
血清:採血は日内リズムがあるので、早朝安静時に臥位で行う。速やかに測定するか、冷蔵保存する。 尿 午前8~10時採血(7.0~23.0μg/dL) |
測定法 | 蛍光法(De Moor変法) |
基準範囲出典 |
1.宇田川 美佐子 他:臨床化学 5(3) 321~325,1977 2.下山 晶士 他:臨床検査 28(5) 521~530,1984 3.小田桐恵美:11-OHCS.桜林郁之介ほか(編);最新臨床検査項目辞典.医歯薬出版,2008,pp392-393 |
解説 |
11-OHCSは代表的な糖質ステロイドで、視床下部のコルチコトロピン放出ホルモンと下垂体のACTHによるフィードバック機構が成立しているため、間脳-下垂体-副腎系機能や副腎皮質のコルチゾール分泌機能の評価に有用である。測定はACTHと同時に行い、11-OHCS低値、ACTH低値なら視床下部下垂体機能低下症、11-OHCS高値、ACTH低値なら副腎性Cushing症候群、両者ともに高値ならCushing病か異所性ACTH産生腫瘍を考える。鑑別診断にはデキサメタゾン抑制試験、CRH試験、DDAVP試験などが必要である。 高値(血清):Cushing症候群、Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍、甲状腺機能亢進症、急性アルコール中毒、妊娠、副腎皮質刺激状態(ACTH,インスリンなどの投与時)、副腎癌 高値(尿)副腎癌、良性副腎皮質腫瘍、副腎皮質機能亢進症 低値(血清):ACTH単独欠損症、Addison病、Sheehan症候群、Waterhouse-Friderichsen症候群、下垂体機能低下症、肝疾患、急性副腎不全、甲状腺機能低下症、先天性副腎皮質過形成(21-ヒドロキシラーゼ欠損症,11β-ヒドロキシラーゼ欠損症)、ネフローゼ症候群、副腎皮質機能低下症 |