検査項目解説
検査名 | HDL2,3-コレステロール/HDLコレステロール亜分画 |
英検査名 | HDL2,3-Cholesterol/HDL2-Cholesterol/HDL3-Cholesterol |
検体基準範囲 |
早朝空腹時に採血し、速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血清:HDL2コレステロール(男性:16.0~61.0mg/dL、女性:23.0~73.0mg/dL) HDL3コレステロール(男性:13.0~25.0mg/dL、女性:13.0~24.0mg/dL) |
測定法 | 超遠心法 |
基準範囲出典 |
1.Bronzert TJ et al:Clinical Chemistry 23(11):2089-2098,1977 2.板倉 弘重:日本臨床 57(S2):35-38,1999 |
解説 |
この検査は、脂質代謝異常、肝疾患、冠状動脈疾患が疑われるときに行われる。HDL2とHDL3は高比重リポ蛋白(HDL)の亜分画でHDL2は軽くて大きく、HDL3は重くて小さい。HDL2は小腸と肝で産生される他、カイロミクロンやリポ蛋白リパーゼによる分解過程で、アポ蛋白からも産生される。HDL2が末梢細胞から遊離型コレステロールを引き抜くが、この遊離型コレステロールがLCATの作用でエステル型コレステロールに変換すると、HDL2のサイズは大きくなりHDL3になる。HDL2はアポEと結合しLDL-レセプターやレムナントレセプターを介して肝に取り込まれ、コレステロール逆転送経路を構成する。臨床的にはHDL2-コレステロールとHDL3-コレステロールの濃度を見ることで、HDLの産生と異化のバランスを知ることができる。 HDL2とHDL3の増加:CETP欠損症、肝性HTGL活性低下 HDL2減少:LPL活性低下、急性肝炎、動脈硬化症、閉塞性黄疸 HDL3減少:肝硬変、急性肝炎、脳梗塞、閉塞性黄疸 HDL2/HDL3比増加:甲状腺機能低下症 HDL2/HDL3比減少:動脈硬化症 |