検査項目解説
検査名 | アルドステロン |
英検査名 | Aldosterone |
検体基準範囲 |
EDTA-2Na入り採血管に、早朝安静臥位で採血し、よく混和させ、血漿を分離する。分離後の血漿は凍結する。検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:随時:35.7~240pg/mL、臥位:29.9~159pg/mL、立位:38.9~307pg/mL 24時間蓄尿:10μg/day以下 |
測定法 | RIA固相法 |
基準範囲出典 |
1.塩之入 洋 他:医学と薬学 21(2):293-302,1989 2.猿田 享男 他:日本臨床 63(増):328-331,2005 3.片山茂裕:アルドステロンの基礎と臨床.治療学 40:827-831,2006 4.Young WF Jr: Primary aldosteronism: A common and curable form of hypertension. Cardiol Rev 1999;7:207-214 5.Young WF Jr: Pheochromocytoma and primary aldosteronism: diagnostic approaches. Endocrinol Metab Clin North Am 1997;26:801-827 6.Hurwitz S, Cohen RJ, Williams GH: Diurnal variation of aldosterone and plasma renin activity: timing relation to melatonin and cortisol and consistency after prolonged bed rest. J Appl Physiol 2004;96:1406-1414 7.Gruber HA, Farag AF. Evaluation of endocrine function. In: McPherson RA, Pincus MR, eds. Henry's Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods. 22nd ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2011:chap 24. |
解説 |
この検査の目的は 副腎からの鉱質コルチコイドの分泌量の評価である。PACは副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイドで、レニン-アンジオテンシン系、ACTH、K+が分泌の調節を行っている。PACは遠位尿細管に作用し、Na+とOH-を再吸収し代わりにK+とH+-を排出させる働きがある。PACはレニンにより産生されるアンジオテンシンIIの刺激により産生される。測定は血漿レニン活性と同時に行いPAC/PRA比を評価することが望ましい。また、PACは60歳以上の男性や閉経後の女性では有意に低値を示すこと、早朝に高値で深夜に低値になることに注意する。臨床的には分泌過剰による代謝性アルカローシスと、分泌不足による代謝性アシドーシス、電解質異常、高血圧症の診断に用いる。 高値(血漿):Bartter症候群、Gitelman症候群、COPD、悪性高血圧、アルコール依存症、うっ血性心不全、褐色細胞腫、肝硬変、急性心筋梗塞、急性糸球体腎炎、原発性アルドステロン症、子癇前症、子癇、腎血管性高血圧、腎性高血圧、胆管閉塞、特発性アルドステロン症、ネフローゼ症候群、腹膜炎、副腎癌、副腎皮質機能亢進症、本態性高血圧症、慢性腎不全、慢性心不全、卵巣過剰刺激症候群、レニン産生腫瘍、 低値(血漿):11β-水酸化酵素欠損症、Addison病、AME症候群、Liddle症候群、間質性腎炎、急性アルコール中毒、偽性アルドステロン症、原発性選択的アルドステロン症、子癇前症、腎盂腎炎、先天性副腎酵素欠損症、デオキシコルチコステロン産生腫瘍、糖尿病、糖尿病性腎症、尿崩症、副腎皮質機能低下症、ヘモクロマトーシス |