検査項目解説
検査名 | 肝細胞増殖因子 |
英検査名 | Hepatocyte Growth Factor/Scatter Factor/HGF |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血清:0.40ng/mL以下 |
測定法 | ELISA |
基準範囲出典 |
1.二井谷 好行 他:臨床検査 35(13):1360-1364,1991 2.杉山 宏 他:肝臓 34(7):493-503,1993 3.船越 洋ほか:肝細胞増殖因子(HGF)の検査値と各種疾患.日本臨牀 37:821-826,1999 |
解説 |
HGFは肝、腎、脾、肺等で産生されるが、肝では最も強力な増殖因子として働いている。また、細胞増殖促進のほか、運動促進、器官形成誘導、抗アポトーシス作用など多彩な生理機能を有する。臨床的には急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などの肝疾患で高値となるが、特に劇症肝炎では著明に高値となるため診断的価値が高いとされる。臨床的には劇症肝炎の発症予測と予後推定に用いる。HGFはまた、動脈硬化性疾患で高値となり細動脈硬化の進行度や高血圧性臓器合併症と良く相関し治療によって値が低下することが知られている。 高値(血清):悪性腫瘍(消化管、肺、乳房)、肝硬変、急性肝炎、急性心筋梗塞、血管炎症候群、劇症肝炎、肝切除後の術後肝不全、肝移植後の移植肝機能不全、腎移植拒絶反応、腎不全、膵炎、動脈硬化症、妊娠高血圧症候群、肺炎、慢性肝炎 |