検査項目解説
検査名 | HTLV-1 プロウイルスDNA |
英検査名 | HTLV-1 Provirus DNA |
検体基準範囲 |
血液はEDTA-2Na入り容器に採血し、速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血液:pX領域:陰性、クロナリティ:陰性 |
測定法 |
pX領域:PCR クロナリティ:サザンブロットハイブリダイゼーション |
基準範囲出典 |
1.畑中 正一 他:蛋白質核酸酵素 35(17):3055-3060,1990 2.小林 信之:医学のあゆみ 162(9):554-558,1992 3.Miyazato P, et al:Journal of Virology 80(21):10683~10691, 2006. |
解説 |
我が国には約108万人のヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)キャリアが存在し、約5%にATL等が発症するとされている。HTLV-1の感染経路は主に母乳を介した垂直感染であり、HTLV-1キャリアの同定が感染予防の大きな課題となっている。HTLV-1型に感染すると、一生涯生涯体内に感染細胞を保有し続けキャリアの状態になる。感染細胞はプロウイルスとしてHTLV-1DNAを組み込んでいるので、HTLV-1プロウイルスDNAが検出されれば体内にHTLV-1感染細胞の存在が推測できる。臨床的には成人T細胞性白血病やHTLV-1関連疾患が疑われる場合、感染者が多い地方の妊婦健診、輸血・移植ドナーのスクリーニングなどに用いる。また、HTLV-1の抗体検査は偽陽性反応が避けられないので、疑わしい場合の確認検査としても有用である。 陽性(血液):ATL感染、HTLV-1キャリア、HTLV-1関連疾患 |