検査項目解説
検査名 | アミロイドβ蛋白 |
英検査名 | Amyloid β-Protein |
検体基準範囲 |
髄液は上清を検体とする。血漿はEDTA血漿を検体とする。 髄液:Aβ40(637~2,665fmol/mL)、Aβ42(91~533fmol/mL) 血漿 |
測定法 | EIA |
基準範囲出典 | 1.最新 臨床検査項目辞典 医歯薬出版株式会社 2008 |
解説 |
Aβ蛋白は健常な脳では産生から排出まで恒常的なバランスを保っているが、Alzheimer病の脳ではこのバランスが崩れ、Aβがアミロイドに変わり細胞間に沈着し老人斑を形成すると考えられている。AβはC末端の異なるAβ40とAβ42があるが、Aβ42は40に比べアミロイド線維形成能と神経毒性が強い。臨床的には脳脊髄液中のAβ42を測定するが、目的はAlzheimer病と他の認知症との鑑別と早期診断である。またタウ蛋白を測定しAD index=(tau×Aβ40/Aβ42)を算定すると、感度69%、特異性88%でAlzheimer病鑑別診断に有用である。 高値(髄液):Alzheimer病、Creutzfeldt-Jakob病、Lewy小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、血管性認知症、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症多系統萎縮症、ウイルス性脳炎 低値(髄液 Aβ42の選択的低値):Alzheimer病、Lewy小体型認知症、Alzheimer病に進行する軽度認知障害(MCI) 低値(髄液):Creutzfeldt-Jakob病、単純ヘルペスウイルス性脳炎、二次性水頭症、筋ジストロフィー、血管性認知症、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、筋萎縮性側索硬化症 |