検査項目解説
検査名 | ループスアンチコアグラント |
英検査名 | Lupus Anticoagulant |
検体基準範囲 |
採血後、速やかに室温で1500G以上15分間遠心後、バフィーコートより5mm上から血漿を採取し速やかに測定するか、凍結保存する。血小板の混入検体は測定不可。 血漿:APTT凝固時間法(55.5秒以下)、リン脂質中和法(6.3秒以下)、希釈ラッセル蛇毒時間法(1.3未満) |
測定法 | APTT凝固時間法、リン脂質中和法、希釈ラッセル蛇毒時間法 |
基準範囲出典 |
1.後藤 守孝 他:Modern Physician 15(2):1545-1550,1995 2.安室 洋子 他:日本臨床 53(増):490-493,1995 3.Arnout J, Vermylen J: Current status and implications of autoimmune antiphospholipid antibodies in relation to thrombotic disease. J of Thromb 4.most 2003 May;1(5):931-942 2. Levin JS, Branch DW, Rauch J: The antiphospholipid syndrome. New Engl J Med 2002 March 7;346(10):752-763 5.Proven A, Bartlett RP, Moder KG et al: Clinical importance of positive tests for lupus anticoagulant and anticardiolipin antibodies. Mayo Clin Proc 2004,79(4):467-475 |
解説 |
活性化第X因子はリン脂質、カルシウム、活性化第V因子の存在下でトロンビンを生成するが、抗リン脂質抗体であるループスアンチコアグラントがあると凝固時間が延長する。臨床的には血栓症状が見られる自己免疫疾患患者、出血傾向はないがPT、APTTの延長が認められる患者では必須の検査である。この検査が陽性となった場合は、より詳しい血栓や凝固異常の状態を調べる必要がある。また、流産を反復する女性では、LAによる胎盤の血栓形成も視野に入れ検査を進める。 異常値(血漿):原発性抗リン脂質抗体症候群、習慣性流産、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性疾患、薬剤(キニジン、クロルプロマジン、プロカインアミド) |