検査項目解説
検査名 | 好中球 |
英検査名 | Neutrophils/Neutrophil Bands |
検体基準範囲 |
採血後速やかに塗抹、乾燥、染色を行う。 血液:桿状核球(0~6%)、分葉核球(32~73%) |
測定法 | 鏡検法 |
基準範囲出典 |
1.Johnson M, Samuels C, Jozsa N, Gorney K: Three-way evaluation of high-throughput hematology analyzers-Beckman Coulter LH750, Abbott Cell-Dyn 4000, and Sysmex XE2100. Lab Hematol 2002;8:230-238 2.Klee G: Decision rules for accelerated hematology laboratory investigation. University of Minnesota 1974;thesis (PhD) 3.McKenzie SB: Textbook of Hematology. Lea and Febiger, Philadelphia 1988 4.Orkin SH, Fisher DE, Ginsburg D, et al: Nathan and Oski’s Hematology and Oncology of Infancy and Childhood. Edited by ST Orkin, DE Fisher, AT Look, et al. WB Saunders Co, Philadelphia, 1981 |
解説 |
好中球は直径10~15μmの類楕円形細胞で、0.3~0.5μmのアズール好性顆粒が散在している。顆粒は1/3が一次顆粒の残存、2/3が特異顆粒で、一次顆粒にはペルオキシダーゼ、酸性水解酵素、リゾチーム、エラスターゼや殺菌作用に関係する陽性電荷蛋白、硫酸ムコ多糖類などが含まれる。二次顆粒はラクトフェリン、リゾチーム、プラスミノゲンアクチベータ、コラゲナーゼなどを含み、好中球機能に重要な役割を果たしている。また、細胞膜にはIgGのFc部分や補体などに対するレセプターがある。静脈血では毛細血管血より10~15%少なく算定されること、運動、食事、ストレスによる日内変動が大きいことに注意する。特に運動では通常4,000/μLの健常人値が20,000~30,000/μLに達することもある。核にくびれの無い杆状核球が10%、分節がある分葉核球が90%である。 高値(血液):Behcet症候群、COPD、Guillain-Barre症候群、ITP、TTP、細菌性赤痢、アメーバ症、粟粒結核、ジフテリア、髄膜炎菌髄膜炎、破傷風、敗血症、細菌感染、ポリオ、伝染性単核球症、レプトスピラ症、モニリア症、旋毛虫症、胃癌、大腸癌、膵癌、肺癌、膀胱癌、転移性呼吸器悪性腫瘍、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、真性多血症、糖尿病性アシドーシス、副腎皮質機能低下、痛風、嚢胞性線維、後天性溶血性貧血、溶血性尿毒症症候群、アレルギー性紫斑病、頭蓋内膿瘍、多発神経炎、家族性周期性四肢麻痺、中耳炎、リウマチ熱、急性心筋梗塞、肺塞栓症、感染性心内膜炎、脳内出血、動脈塞栓症、結節性多発動脈炎、川崎病、側頭動脈炎、血栓性静脈炎、ウイルス性肺炎、細菌性肺炎、マイコプラズマ感染症、インフルエンザ、慢性気管支炎、アレルギー性肺胞炎、喘息、肺膿瘍、胃炎、急性虫垂炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、腸閉塞、憩室炎、腹膜炎、アルコール性肝炎、肝膿瘍、急性胆石症、胆嚢炎、急性膵炎、ネフローゼ症候群、急性腎不全、急性腎盂腎炎、前立腺肥大症、前立腺炎、子癇、天疱瘡、蕁麻疹、急性関節炎、関節リウマチ、骨髄炎、壊疽、X線障害、電流障害 低値(血液):Cohen病、Felty症候群、Waldenstromマクログロブリン血症、X線障害、腸チフス、細菌性赤痢、ブルセラ症、敗血症、痘瘡、水痘、麻疹、ルベラ、黄熱病、フレボトムス熱、オウム熱、発疹チフス、ロッキー山紅斑熱、マラリア、転移性骨腫瘍、白血病性細網内皮症、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄芽球性白血病、甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能低下、ビタミンB6欠乏性貧血、無ガンマグロブリン血症、鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏症、後天性溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症、再生不良性貧血、鉄芽球性貧血、無顆粒細胞症、脾機能亢進症、神経性食欲不振症、中耳炎、急性心筋症、ウイルス性肺炎、インフルエンザ、肝壊死、子癇前症、全身性エリテマトーデス、骨髄移植 |