検査項目解説
検査名 | ニッケル |
英検査名 | Nickel |
検体基準範囲 |
血液はヘパリン加血液を検体とする。検体は速やかに測定するか、冷蔵保存する。 血液:0.2~0.8μg/dL 血清:0.6μg/dL以下 尿:5μg/L以下 |
測定法 | AAS、ICP-MS、ICP-AES |
基準範囲出典 |
1.Novelli EL, Rodrigues NL, Ribas BO: Superoxide radical and toxicity of environmental nickel exposure. Hum Exp Toxicol 1995;14:248-251 2.Nixon DE, Moyer TP, Squillace DP, McCarthy JT: Determination of serum nickel by graphite furnace atomic absorption spectrometry with Zeeman-effect background correction: values in a normal population and a population undergoing dialysis. Analyst 1989;114:1671-1674 |
解説 |
Niは必須元素でウレアーゼやヒドロゲナーゼなどの酵素活性発現に関与している。一方、発癌性や接触皮膚炎の原因物質でもあり特殊健康診断で測定されている。摂取したNiの90%は糞便中に排泄されるが、吸収されたNiは肺と腎に蓄積される。臨床的には職業的暴露者、ニッケル中毒を疑う時などで測定する。Niの測定が必要な対象者は、精錬、メッキ、ステンレス鋼、耐熱鋼、磁石、耐酸性合金、Ni-Cd電池などのNiを含む原材料の取扱者である。 高値:急性肝炎、心筋梗塞、心筋虚血、ニッケル中毒、ニッケル取扱作業者 |