検査項目解説
検査名 | アンギオテンシンII |
英検査名 | Angiotensin 2/Angiotensin-II |
検体基準範囲 |
検体は2週間の休薬後、早朝起床前に臥位で、EDTA-2Na入りの試験管に採血し、直ちに冷却遠心分離後、-20℃で凍結保存する。体位、Na摂取、体液量によって変動するために採血時の条件を一定にする。 血漿:22pg/mL以下 |
測定法 | RIA2抗体法 |
基準範囲出典 |
1.岩鼻 美佐 他:医学と薬学 36(2):297-303,1996 2.和中佳生ほか:アンジオテンシンⅡ.日本臨牀 53(増刊 広範囲血液・尿化学検査,免疫学的検査 上巻):699-701,1995 |
解説 |
この検査の目的は高血圧や心不全などの原因診断と病態の把握である。A IIはアンギオテンシンIが肺の血管内皮で産生されるACE IIにより転換され産生され、生体内で最も強力な昇圧作用を持つ物質である。生理的には血管収縮やアルドステロンの分泌促進などの作用があり、レニン-アンギオテンシン系活性の指標となる。AIIの濃度は血漿レニン活性(PRA)に並行して増減するのでPRA、血漿アルドステロンと同時測定が望ましい。臨床的にはレニン-アンギオテンシン系の関与が疑われる高血圧や電解質異常をきたす疾患の診断、治療法選択の際に測定される。 高値(血漿):Addison病、Bartter症候群、Gitelman症候群、高レニン性本態性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧症、腎実質性高血圧症、褐色細胞腫、レニン産生腫瘍、肝硬変、ネフローゼ症候群、うっ血性心不全、慢性心不全、原発性選択的低アルドステロン症、火傷、脱水、低食塩食、利尿薬 低値(血漿):AME症候群、DOC産生腫瘍、Liddle症候群、低レニン性本態性高血圧症、原発性アルドステロン症、副腎皮質機能亢進症、低レニン性選択的低アルドステロン症、偽性アルドステロン症(甘草を主成分とする漢方薬、グリチルリチン製剤など)、先天性副腎酵素欠損症、β遮断薬 |