検査項目解説
検査名 | アニオンギャップ |
英検査名 | Anion Gap |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定する。 動脈血:10~14mEq/L 尿 |
測定法 | 電極法 |
基準範囲出典 |
1.Tietz Textbook of Clinical Chemistry. Fourth edition. Edited by CA Burtis, ER Ashwood, DE Bruns. WB Saunders Company, Philadelphia, 2006 2.深川雅史,奥田俊洋:anion gap.medicina 23:794-795,1986 |
解説 |
この検査の目的は酸塩基平衡異常の鑑別診断である。AGは乳酸やケトン体などの量を間接的に表す指標でAG=(Na)-(Cl-)+(HCO3-)の式で計算され、陰イオン(乳酸、ピルビン酸、リン酸、硫酸)増減の指標となる。臨床的には酸塩基平衡以上を来す疾患に用いる。 高値(動脈血):ケトアシドーシス、腎不全、乳酸アシドーシス、成長ホルモン欠乏症、薬物中毒(エチレングリコール、サリチル酸、メタノール) 高値(尿):3-β-Hydroxydehydrogenase欠損症、21-Hydroxylase欠損症、Addison病、Desmolase欠乏症、糖尿病性腎症、偽性低アルドステロン症、家族性Methyl Oxidase欠乏症、ループス腎炎、遠位尿細管性アシドーシス(Ⅳ型)、閉塞性腎症、塩喪失性腎炎、腎移植 低値(動脈血):低アルブミン血症、リチウム中毒、多発性骨髄腫 低値(尿):Balkan腎症、Ehlers-Danlos症候群、Fabry病、Lowe症候群、Marfan症候群、Wilson病、ビタミンD欠乏症、ビタミンD中毒、多発性骨髄腫、高ガンマグロブリン血症、クリオグロブリン血症、自己免疫性甲状腺炎、副甲状腺機能亢進症、シスチン症、チロシン血症、糖原病Ⅰ型、遺伝性乳糖不耐症、高Ca尿症、アミロイドーシス、鎌形赤血球症、異染性脳白質変性症、多発性硬化症、線維化肺炎、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、古典的遠位尿細管性アシドーシス、シェーグレン症候群、尿管閉塞、腎動脈血栓症、慢性腎盂腎炎、髄質嚢胞腎、移植腎拒絶反応 |