検査項目解説
検査名 | 膵分泌性トリプシンインヒビター |
英検査名 | Pancreatic Secretory Trypsin Inhibitor/PSTI |
検体基準範囲 |
検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血清:4.6~20ng/mL(加齢とともに高値になる) |
測定法 | RIAビーズ固相法 |
基準範囲出典 | 1.最新 臨床検査項目辞典 医歯薬出版株式会社 2008 |
解説 |
PSTIは膵腺房細胞で産生され、活性化トリプシンと結合して活性を阻害する働きを持ち、急性膵炎の際に膵の自己溶解を阻止する働きがある。血中濃度の上昇は膵へ何らかの侵襲が加わったことを示唆し、侵襲・炎症マーカーとして有用性がある。PSTIは膵だけでなく各種細胞にも分布していることが明らかになり、悪性腫瘍、重症感染症、播種性血管内凝固症候群などで高値になる。また、PSTIは急性相反応物質の一種で、急性膵炎ではCRPと同じ動態を示す。臨床的には急性膵炎、慢性膵炎急性増悪、膵癌、各種悪性腫瘍の診断、経過観察、予後推定に用いられる。 高値(血清):胃癌、肝癌、急性膵炎、食道癌、慢性腎不全、膵癌、大腸癌、胆道癌、肺癌、敗血症、慢性膵炎増悪時 |