検査項目解説
検査名 | トロンボモジュリン |
英検査名 | Thrombomodulin |
検体基準範囲 |
3.8%クエン酸Na1容に血液9容を加え遠心分離し血漿を採取する。検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:男性(2.1~4.1FU/mL)、女性(1.8~3.9FU/mL) |
測定法 | EIA |
基準範囲出典 |
1.横内 敬二 他:医学と薬学 44(4):795-802,2000 2.櫻川 信男:日本臨床 53(増):132-135,1995 3.小山高敏:トロンボモジュリンの基礎と臨床.一瀬白帝(編);図説 血栓・止血・血管学─血栓症制圧のために.中外医学社,2005,pp464-469 |
解説 |
TMは血管内皮細胞膜を貫通して血管内腔に突出しトロンビンと結合することでトロンビンの活性を消失させる働きと結合したトロンビン-トロンボモジュリン複合体がプロテインCの活性を高め抗凝固的に働くという相反する作用がある。臨床的には血管障害の合併症が疑われる膠原病、糖尿病や血栓性血小板減少性紫斑病の増悪時などで測定される。また、播種性血管内凝固症候群や多臓器不全合併の際に高値を示すため重要なマーカーとなる。また、DICが多臓器不全を合併すると高値になるため、重症度のマーカーになる。異常値を認めたらvon Willebrand因子、またDICを疑えばTAT、PIC、FDP、D-ダイマーなどを測定する。 高値(血漿):関節リウマチ、劇症肝炎、血栓性血小板減少性紫斑病、腎障害、成人呼吸窮迫症候群、全身性エリテマトーデス、長期腎透析、糖尿病、播種性血管内凝固症候群、肺血栓塞栓症候群、非代償性肝硬変、溶血性尿毒症症候群 |