検査項目解説
検査名 | トロンボテスト |
英検査名 | Thrombotest/TT |
検体基準範囲 |
3.2%クエン酸Na入りポリスピッツ管で採血し、血漿分離する。検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:70%以上 |
測定法 | 凝固時間測定法 |
基準範囲出典 |
1.藤巻 道男:臨床検査技術全書3 血液検査第1版 (医学書院):489-490,1972 2.植田 基生:日本臨床 53(増):14-17,1995 3.香川和彦:プロトロンビン時間(PT),国際標準比(PT-INR),トロンボテスト(TT).血栓と循環 12: 373-378,2004 |
解説 |
TTはビタミンK依存性凝固因子活性を総合的に測定し、抗凝固療法(クマリン、インダンジオン系)のコントロール状態を評価する検査である。クマリンやインダンジオンを投与すると不完全な凝固因子(PIVKA)を産生し、このPIVKAが第II、VII、X因子活性を阻害し1因子以上が阻害されるとTTは低値となる。臨床的には抗凝固療法のコントロールに用いられるが、現在は国際的に互換性のある、プロトロンビンを測定しPT-INR(PT-international normalized ratio) を用いるためTTの測定意義はなくなりつつある。また、ヘパプラスチンテストとの組み合わせによるInhibitor Indexの算定に関してはヘパプラスチンテストの項を参照する。 低値(血漿):薬剤(クマリン、インダンジオン系抗凝固剤)、第II、VII、X因子先天的欠乏症・分子異常症、ビタミンK欠乏症・吸収障害、播種性血管内凝固症候群 、胆道閉鎖症 |