検査項目解説
検査名 | 組織プラスミノゲンアクチベータ |
英検査名 | Tissue Plasminogen Activator/Tissue Plasminogen Activator Activity |
検体基準範囲 |
3.2%クエン酸Na入りポリスピッツ管で採血し、血漿を検体とし、速やかに測定するか、凍結保存する。採血は安静時に速やかに行う。 血漿:2~8ng/mL(抗原量)、1.6lu/mL(活性値) 髄液 |
測定法 | LPIA |
基準範囲出典 |
1.杉山保幸ほか:腫瘍マーカー 組織ポリペプチド抗原(TPA).日本臨牀 63(増刊):705-707,2005 2.坂田洋一:血栓溶解の分子メカニズム.分子脳血管病 5:284-292,2006 |
解説 |
t-PAは血管内皮細胞で産生されるセリン蛋白分解酵素でプラスミノゲンを活性化する作用がある。血中に放出されたt-PAの95%は生理的阻止因子のプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)と結合し不活性化される。このためt-PAの血中での動態を知るためにはt-PA・PAI-1複合体の測定が必要である。臨床的には血管内皮細胞障害のマーカーとして用いる。 高値(血漿):HELLP症候群、敗血症、劇症肝炎、直腸癌、肝細胞癌、子宮癌、卵巣癌、腎細胞癌、移行上皮癌、2型糖尿病、播種性血管内凝固症候群、血小板減少症、アルコール依存症、狭心症、虚血性心疾患、脳卒中、末梢動脈疾患、慢性活動性肝炎、子癇前症、外傷、骨髄異形成症候群 高値(髄液):Alzheimer型認知症、血管障害性認知症 高値(尿):1型糖尿病、痛風、糸球体疾患、全身性エリテマトーデス 低値(血漿):本態性高血圧症、原発性肺高血圧症 |