検査・診断Matrix   ご利用の前に  利用方法  検体略号  参考資料
会員
ログイン
新規
会員登録
会員登録について][登録情報
 HOME > 微生物検査 _ [菌種別]Klebsiella

微生物検査

[菌種別]Klebsiella

喀痰からKlebsiella pneumoniae が検出された症例
■分 類:一般細菌
■材 料:喀痰
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 喀痰のグラム染色では丸太い短桿菌がみられ、一般的には大腸菌などの腸内細菌科細菌が疑われるが、一部の菌体では菌体の周囲が白く抜けた莢膜と思われる像が観察された。Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)は太長いグラム陰性桿菌と教科書には記載されていることが多いが、実際には大腸菌と思われるような丸太い短桿菌として観察されることが多いので注意する必要がある。
肝臓癌を罹患した患者からKlebsiella oxytoca が検出された症例
■分 類:一般細菌
■材 料:血液(血液培養)
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Klebsiella oxytoca
■培地名:BTB乳糖加寒天培地
     ヒツジ血液寒天培地
■年 齢:73
■性 別:男性
■解 説

①左右側上スライド
 血液培養のグラム染色では短い桿菌として観察された。 Klebsiella spp.は大型のグラム陰性桿菌として記載されている参考書が多いが、実際には短い形態を示した場合にはグラム染色で推定することは極めて難しい。

②左右側下スライド
  Klebsiella spp.の大部分は乳糖分解のため、BTB乳糖加寒天培地では黄色の集落を形成し、かつムコイド状を呈する特徴がある。なお、ムコイド状(>5mm以上の粘性糸で鑑別)を呈する菌株は肝膿瘍などを発症するリスクが高い。また、ヒトでは呼吸器、尿路感染の原因菌となる。ヒツジ血液寒天培地では粘性のある集落を形成する。
 培養検査の結果、 Klebsiella oxytocaと同定された。

※近年はESBL、KPCなどの耐性菌が院内感染として問題となっている。

胆汁での混合感染の症例
■分 類:一般細菌
■材 料:胆汁
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Enterococcus faecalis
     Klebsiella pneumoniae
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 胆汁が臨床検体であるため、一般的にはグラム陽性双球菌はEnterococcus spp.(腸球菌属)を推定するが、本症例では菌体の周囲に赤く染まった染色像があるためStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)も同時に疑った。ただし、 S. pneumoniae は胆汁にて溶解する特徴を有しているため最終的にはEnterococcus spp.を起炎菌と判断した。グラム陰性桿菌は腸内細菌科細菌を推定させる形態を示していたが、この染色像でKlebsiella spp.を推定することは困難と言える。
 培養検査の結果、 Enterococcus faecalisKlebsiella pneumoniae が同定された。
菌体が伸長化した混合感染の症例
■分 類:一般細菌
■材 料:胆汁
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Aeromonas hydrophila
     Klebsiella pneumoniae
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 グラム染色で伸長化したグラム陰性桿菌が観察された。伸長化はスフェロプラストと呼ばれ、細胞壁合成阻害薬(主にβラクタム系抗菌薬)によって起こる。通常、 βラクタム系抗菌薬は細胞壁の合成を阻害するため細胞壁が薄くなる。細胞壁が薄くなると菌体内の内圧が高いため、細菌は伸長化しながら最終的には溶菌して死滅する。ただし、伸長化の過程で抗菌薬の影響が無くなると伸長化した菌体は回復し、数箇所に隔壁が形成され細菌の分裂がすぐに始まる。そのため、細胞壁合成阻害薬を使用したグラム陰性桿菌ではPAE(post antibiotic effect;ある抗菌薬が微生物に短時間接触した後に持続してみられる増殖抑制効果)は無いと言われている。
 培養検査の結果、 Aeromonas hydrophilaKlebsiella pneumoniae が同定された。ただし、グラム染色では2菌種の存在は判断できなかった。
膿汁から複数菌が検出された症例
■分 類:一般細菌
■材 料:非開放性膿
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Eschrichia coli
     Klebsiella pneumoniae
     Enterobacter cloacae
     Enterococcus faecalis
     Enterococcus faecium
     Clostridium perfringens
     Bacteroides fragilis
     Bacteroides thetaiotaomicron
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

①左側上スライド
 腹腔内膿瘍の検体で、悪臭を伴う褐色の膿汁であった。

②右側(グラム染色像)スライド
 好中球には複数の貪食された細菌が多数認められ、周囲にもグラム陽性球菌からグラム陰性桿菌、グラム陽性桿菌などが多数観察された。

③左側下スライド
 培養検査の結果、好気性菌はEschrichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium と同定された。
 嫌気性菌はClostridium perfringens, Bacteroides fragilis, Bacteroides thetaiotaomicron と同定された。なお、 Clostridium spp.は周囲が不均一性の集落を形成する特徴がある。

・ 嫌気性菌を疑うポイント

  1. 悪臭のある臨床検体
  2. 閉鎖性の膿瘍(脳膿瘍、肺膿瘍、皮下膿瘍など)
  3. 腹腔内感染症(肝膿瘍、横隔膜下膿瘍など)
  4. 婦人性器感染症(膣炎、付属器炎など)
  5. 塗抹検査陽性、好気培養陰性の検体
  6. アミノグリコシド系薬が無効な感染症
  7. 抗菌薬投与後の下痢症
  8. ABPCやCEZが無効な感染症
  9. 壊疽、土で汚染された壊死組織
  10. 膿汁中のドルーゼ(硫黄顆粒、菌塊)

腹腔内膿瘍の混合感染症例
■分 類:一般細菌
■材 料:非開放性膿
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
     Escherichia coli
     Enterobacter cloacae
     Enterococcus faecalis
     Staphylococcus aureus (MRSA)
     Bacteroides fragilis
     Bacteroides thetaiotaomicron
     peptostreptococcus spp.
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

①左側スライド
 腹腔内膿をBTB乳糖加寒天培地に塗布し、35℃の好気的環境下で24時間培養した時の発育集落像を示した。 多数の細菌の発育が観察される。Klebsiella pneumoniae:2+は粘液性に富んだ細菌で、乳糖分解性のためBTB乳糖加寒天培地では黄色の集落を形成し、白金線などで集落に触れると糸を引く菌株もある。 Escherichia coli:2+は乳糖分解性のためBTB乳糖加寒天培地では黄色のR型集落を形成し易い。Enterobacter cloacae:1+は菌種により乳糖分解性がことなる。 集落はE. coliに比べてS型の集落を形成する。なお、本症例ではグラム陰性桿菌以外にヒツジ血液寒天培地にてEnterococcus faecalis:少数とStaphylococcus aureus(MRSA):少数が検出された。

②右側スライド
 腹腔内膿をブルセラHK(RS)寒天培地に塗布し、35℃の嫌気的環境下で48時間培養した時の発育集落像を示した。ブルセラHK(RS)寒天培地には嫌気性菌のみならず通性嫌気性菌も発育するため多数の細菌の発育が観察される。このような症例では嫌気性菌の検出は難しくなるため必要に応じて選択培地の併用が望ましい。今回、嫌気性菌を検索した結果、グラム陰性桿菌のBacteroides fragilis:3+、 Bacteroides thetaiotaomicron:3+とグラム陽性球菌のPeptostreptococcus spp.:1+が検出された。

代表的な菌種のグラム染色像
■分 類:一般細菌
■材 料:複数材料
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Staphylococcus spp.
     Streptococcus spp.
     Streptococcus pneumoniae
     Moraxella(B) catarrhalis
     Haemophilus influenzae
     Esherichia coli
     Klebsiella pneumoniae
     Pseudomonas aeruginosa
     Campylobacter jejuni
     Candida spp.
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

・微生物検査において最初に実施されるのが、塗抹標本によるグラム染色である。
下記にグラム染色の手順を示す。

① 臨床検体をスライドグラスに塗布する
 ↓
② 自然乾燥後、火炎固定またはメタノール固定を実施する
 ↓
③ 自然乾燥後、前染色液であるクリスタル紫液にて染色する
 ↓
④ 水洗後、媒染液のルゴール液を滴下する
 ↓
⑤ 水洗後、純アルコール液かアルコール・アセトン液にて脱色する
 ↓
⑥ 水洗後、後染色液であるサフラニン液にて染色する
 ↓
⑦ 水洗後、光学顕微鏡にて観察する。

・本アトラス集は、著者が佐賀大学医学部附属病院検査部にて経験した症例を中心に掲載し、実際に判断に迷った症例や臨床微生物学を学習するうえで必要な資料を解説と共に掲載した。

・臨床検体からのグラム染色による細菌の推定では、貪食像や抗菌薬投与による形態変化、さらには検体の保存期間による染色性の劣化など多くの要因が関与する。従って、実際には光学顕微鏡にて判断した推定菌種と培養検査で発育した菌種の間で乖離がみられることがある。

・臨床検体から起炎菌を推定する場合、多くの細菌は属レベルでの判定に留まることが多い。例えば、ブドウ球菌とは推定できても、その細菌が黄色ブドウ球菌かコアグラーゼ陰性のブドウ球菌かを鑑別することは経験者でも非常に難しい。そのため、本アトラス集を参考に出来る限り起炎菌の推定が普及することを期待している。

複数材料からKlebsiella pneumoniae が検出された症例
■分 類:一般細菌
■材 料:複数材料
     吸引痰・血液培養
■その他:-
■染色法:グラム染色
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
■培地名:-
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

①左右側上スライド
 吸引痰のグラム染色では丸太い大型のグラム陰性桿菌を呈し、菌体の周囲には薄いピンク色に染まった莢膜が多数認められた。

②左右側下スライド
 血液培養のグラム染色では丸太い短桿菌がみられ、一般的には大腸菌などの腸内細菌科細菌が疑われるが、一部の菌体では長い桿菌状の形態を示し、かつ菌体の周囲は白く抜けた莢膜と思われる像も観察された。

・本症例での注意点
 本症例は同一患者よりKlebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)を検出したが、臨床材料によってグラム染色像が異なることを示した貴重な症例と言える。グラム染色で起炎菌を推定する場合には、個々の菌体の特徴を詳細に観察して判断することが重要である。

代表的な菌種の発育像
■分 類:一般細菌
■材 料:複数材料
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Staphylococcus aureus
     Staphylococcus epidermidis
     Streptococcus pneumoniae
     Streptococcus pyogenes
     Streptococcus agalactiae
     Haemophilus influenzae
     Eschrichia coli
     Klebsiella pneumoniae
     Salmonella spp.
     Serratia marcescens
     Pseudomonas aeruginosa
     Campylobacter spp.
■培地名:ヒツジ血液寒天培地
     チョコレート寒天培地
     BTB乳糖加寒天培地
     SS寒天培地
     スキロー寒天培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

・微生物検査においてグラム染色の次に実際されるのが培養検査である。
 下記に培養検査に関する概要を記載する。

① 分離培地

  • 分離培地には水、肉水・肉エキス、ペプトン、寒天、増強成分、化学薬品・指示薬などが含まれている。
     分離培地には選択分離培地と非選択分離培地の2種類があり、臨床材料から分離される細菌の種類によって使い分けられている。特に選択培地は目的菌以外の細菌の増殖を抑制し、特定菌種の発育を目的とする場合に使用される。
    (例)非選択分離培地:BTB乳糖加寒天培地、血液寒天培地など
       選択分離培地:SS寒天培地、TCBS寒天培地など

②培養条件

  • 酸素の要求性により、偏性好気性菌、通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌、微好気性菌に大別される。
    (例)偏性好気性菌:緑膿菌、炭疽菌など(遊離酸素濃度:21%必要)
       通性嫌気性菌:大腸菌、ブドウ球菌など(酸素の存在は関係ない)
       偏性嫌気性菌:破傷風菌、ボツリヌス菌など(酸素がない条件が必要)
       微好気性菌:ヘリコバクター、カンピロバクターなど
       (遊離酸素濃度:3~15%必要)
  • 至適温度:35~37℃が大部分
  • 至適pH:6~7が大部分

BTB乳糖加寒天培地に発育した複数菌の症例
■分 類:一般細菌
■材 料:その他
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
     Eschrichia coli
■培地名:BTB乳糖加寒天培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
①左側(K. pneumoniae)スライド
 Klebsiella pneumoniae の大部分は乳糖分解のためBTB乳糖加寒天培地では黄色の集落を形成し、かつムコイド状を呈する特徴がある。

Klebsiella pneumoniae の特徴

  1. 莢膜を保有するグラム陰性桿菌(0.3~1.0×0.6~6.0µm)で非運動性、肺炎桿菌と呼ばれる。
  2. ムコイド状(>5mm以上の粘性糸で鑑別)を呈する菌株は肝膿瘍などを発症するリスクが高い。
  3. ヒトでは呼吸器、尿路感染の原因菌となる。
    ※近年はESBL、KPCなどの耐性菌が院内感染として問題となっている。

②右側( E. coli )スライド
 E. coli の大部分は乳糖分解のためBTB乳糖加寒天培地では黄色のS型集落を形成する。

Eschrichia coli の特徴

  1. グラム陰性桿菌(0.4~0.7×1.0µm)で周毛性鞭毛を持ち運動する。
    ※鞭毛を欠いて非運動性でガス非産生の菌株も有り。
  2. ヒトや動物の腸管内常在菌である。
  3. 遺伝子学的相同性では赤痢菌と鑑別できない。
  4. 土壌や水の中では数カ月生存可能で、自然界には比較的抵抗性がある。

運動性の確認方法およびHafnia alvei の発育症例
■分 類:一般細菌
■材 料:その他
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
     Eschrichia coli
     Hafnia alvei
■培地名:SIM培地
     BTB乳糖加寒天培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説

①左側(運動性の確認)スライド
 腸内細菌科細菌の運動性を確認する場合には無染色生鮮標本およびSIM培地による方法が実施されている。SIM培地で運動性を確認する場合、穿刺の状況によっては判定に苦慮する場合を経験する。そこで簡易に運動性を確認する方法を紹介する。

  1. SIM培地を2本用意し、湯煎にて寒天を溶かす。
  2. 滅菌シャーレに溶かしたSIM培地を注いで固める。
  3. 対象菌種を寒天の中層部まで接種し培養する。
結果:運動性が無いKlebsiella pneumoniae では接種した周囲のみ発育する。
   運動性が有るEschrichia coli では培地全面に広がる特徴がある。

②右側スライド
 Hafnia alvei は腸内細菌科細菌に属するグラム陰性の通性嫌気性桿菌で、30℃までは運動性を認めるが、それを超える温度では運動性を失うことが多い。土壌や水中、動物の腸管内に存在し、ヒトにおける日和見感染の原因菌のひとつである。

クラブラン酸配合ディスクを用いたESBL確認試験
■分 類:一般細菌
■材 料:その他
■その他:-
■染色法:-
■菌種名: Klebsiella pneumoniae
■培地名:ミュラーヒントン寒天培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 Klebsiella pneumoniae の薬剤感受性試験を実施した結果、第2世代セファロスポリン系のCPDX、第3世代のCAZおよび第4世代のCFPMに耐性を示し、セファマイシン系のCMZとカルバペネム系のMEPMに感性を示したためESBL産生のK. pneumoniae が疑われた。

・ESBLの確認試験
 クラブラン酸配合ディスクを用いたESBL確認試験では、単剤のCPDXおよびCAZには耐性を示したが、クラブラン酸配合ディスクを用いた結果、阻止円が5mm以上拡大したためESBL産生のK. pneumoniae と判断した。なお、ESBLはAmblerの分類ではClassAに属し、クラブラン酸のβ-ラクタマーゼ阻害剤にて発育阻止の拡大が観察される特徴がある。なお、 クラブラン酸を用いたESBLの判定では、ディスク法の場合は単剤に比べ、合剤で5mm以上の発育阻止の拡大、MICでは8倍以上のMICの回復が基準となっている。

腸内細菌科細菌の試験管による同定法(3)
■分 類:確認培地
■材 料:その他
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Klebsiella pneumoniae
■培地名:TSI培地
     SIM培地
     VP培地
     シモンズのクエン酸塩培地
     リジン液体培地
     オルニチン液体培地
     DNA培地
     アルギニン液体培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 本症例はKlebsiella pneumoniae の生物学的性状を示した。
 インドールピルビン酸(IPA)反応および硫化水素(H2S)産生は陰性、シモンズのクエン酸利用能は陽性である。この段階では、Klebsiella spp.かSerratia spp.、Enterobacter spp. などのVP反応陽性菌が推定される。 TSI寒天培地で高層部が黄色(乳糖か白糖、あるいは乳糖と白糖の分解性有り)で陽性、ガスの産生も認められた。 SIM寒天培地ではインドール反応が陰性、運動性も認められない。リジン脱炭酸反応は陽性、オルニチン脱炭酸反応およびDnase産生、アルギニン水解反応は陰性を示したことより、Klebsiella pneumoniae と同定された。
腸内細菌科細菌の試験管による同定法(4)
■分 類:確認培地
■材 料:その他
■その他:-
■染色法:-
■菌種名:Klebsiella oxytoca
■培地名:TSI培地
     SIM培地
     VP培地
     シモンズのクエン酸塩培地
     リジン液体培地
     オルニチン液体培地
     DNA培地
     アルギニン液体培地
■年 齢:-
■性 別:-
■解 説
 本症例はKlebsiella oxytoca の生物学的性状を示した。
 インドールピルビン酸(IPA)反応および硫化水素(H2S)産生は陰性、シモンズのクエン酸利用能は陽性である。この段階では、Klebsiella spp.かSerratia spp.、Enterobacter spp.などのVP反応陽性菌が推定される。 TSI寒天培地で高層部が黄色(乳糖か白糖、あるいは乳糖と白糖の分解性有り)で陽性、ガスの産生も認められた。 SIM寒天培地ではインドール反応は陽性、運動性は認められない。リジン脱炭酸反応は陽性、オルニチン脱炭酸反応およびDnase産生、アルギニン水解反応は陰性を示したことより、Klebsiella oxytoca と同定された。
上へ

HOME

下へ