疾患解説
フリガナ | テイケツアツショウ |
別名 | |
臓器区分 | 循環器疾患 |
英疾患名 | Hypotension |
ICD10 | I95.9 |
疾患の概念 | 低血圧は、収縮期血圧が100mmHg以下をさすが、定義は定まっていない。血圧が低いだけでは低血圧症とは呼ばない。めまい、立ちくらみ、悪心、嘔吐などの臨床症状を伴って初めて低血圧症とする。頻度は、1.5~7%前後で、20歳代の女性に圧倒的に多い。本態性低血圧は原因の明らかでない低血圧の総称で、遺伝素因、体質、自律神経系の関与が原因とされている。やせ型の若い女性に多く、90%は無症状であるが、全身倦怠感、易疲労感、頭痛、耳鳴り、動悸、めまい、食欲不振などの症状が見られることもある。二次性低血圧にはShy-Drager症候群、Parkinson病などの神経疾患、心機能低下や頸動脈洞症候群などの心血管疾患、糖尿病や副腎皮質機能不全などの内分泌疾患や降圧剤や向神経薬による薬剤性がある。起立性低血圧は臥位から立位への体位変換により、3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上または拡張期血圧が10mmHg以上低下するもので、高齢者でも5~30%にみられるほか、高血圧患者にもみられることがある。食後低血圧は食後90分位までに収縮期血圧が20mmHg以上低下し、脱力、悪心、めまい、失神などを訴えるもので、圧反射障害を持つ高齢者に多い。 |
診断の手掛 | 全身倦怠感、脱力感、易疲労感などの全身症状、動悸、息切れ、前胸部圧迫感などの循環器症状、めまい、頭痛、不眠などの精神神経症状や悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、便秘などの消化器症状など多彩な不定愁訴がある患者を診たら本症を疑う。二次性低血圧症の症状は、原因疾患に基づく症状が加わる。 |
主訴 |
息切れ|Shortness of breath/Breathlessness 易疲労感|Fatigue 嘔吐|Vomiting 悪心|Nausea 肩こり|Stiff neck and shoulder 四肢冷感|Cold sensation of extremity 食欲不振|Anorexia 耳鳴|Tinnitus 頭痛|Headache/Cephalalgia 前胸部圧迫感|Precordia oppression 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 脱力感|Weekness 動悸|Palpitations 腹部膨満感|Sense of Abdominal fullness 不眠|Insomnia 便秘|Constipation めまい|Dizziness |
鑑別疾患 |
神経調節性失神 低髄液圧症候群 体位性頻脈症候群 アジソン病/急性副腎不全|Addison's Disease/Adrenal Crisis Shy-Drager症候群 起立性調節障害 薬剤(降圧薬) |
スクリーニング検査 | |
異常値を示す検査 | Atrial Natriuretic Polypeptide [/P] |
関連する検査の読み方 | |
検体検査以外の検査計画 | 心電図検査、胸部X線検査、心超音波検査、血圧測定 |