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疾患解説

フリガナ ムコタトショウ
別名 ムコ多糖体蓄積症
臓器区分 小児疾患
英疾患名 Mucopolysaccharidosis
ICD10 E76.9
疾患の概念 グリコサミノグリカンの分解に関与する酵素の遺伝性欠損で発症する疾患で、関与する酵素により、7つの型に分けられる。酵素欠損によりライゾゾーム内にグリコサミノグリカンの断片が蓄積し骨、軟部組織、中枢神経系に変化を来す。常染色体劣性遺伝形式をとる。
診断の手掛 粗野な顔貌、精神発達遅滞、関節屈曲拘縮、大頭症、臍・鼠径ヘルニア、慢性中耳炎、アデノイドなどの症状を示す患者を診たら本症を疑う。
主訴 肝腫大|Hepatomegaly
関節拘縮|Joint contracture/Arthrogyposis
ガーゴイル顔貌|Gargoyl face
視力障害|Blurred vision/Visual impairment
精神発達遅滞|Mental retardation
多毛|Hypertrichosis/Hirsutism
低身長|Short stature
皮膚硬化|Sclerema
鑑別疾患 ムコリピドーシス
重症型Gm1-ガングリオシドーシス
マルチプルスルファターゼ欠損症
スクリーニング検査
異常値を示す検査 Chitotriosidase [/S]
Lysosome-associated Membrane Protein-2 [/S]
Lysosome-associated Membrane Protein-2:Lysosome-associated Membrane Protein-1 Ratio [/S]
β-Glucuronidase|β-グルクロニダーゼ [/Fibroblasts]
関連する検査の読み方 【グリコサミノグリカン分画】
尿中の値がトータルと断片化のどちらかが高値であれば診断は確定する。酸性ムコ多糖は皮膚、骨、軟骨、靱帯などの結合組織の主成分で、細胞間マトリックスとして水、電解質の保持、透過作用がある。また、蛋白質と結合し複合体を作り抗血栓作用や脂質代謝などにも関与している。細胞のリゾゾームにある分解酵素が欠如すると、ムコ多糖体が蓄積しムコ多糖症を発症する。臨床的にはムコ多糖症の診断、膠原病などの結合織の代謝と崩壊が亢進する疾患の病勢評価などのに用いる。
【出生前培養線維芽細胞と出生後末梢白血球の酵素分析】
確定診断に有用である。
検体検査以外の検査計画 骨単純X線検査、心超音波検査、聴力検査

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