疾患解説
フリガナ | グルカゴノーマ |
別名 | |
臓器区分 | 内分泌疾患 |
英疾患名 | Glucagonoma |
ICD10 | D31.7 |
疾患の概念 | グルカゴンを分泌する膵ランゲルハンス島のα細胞の腫瘍であるが、極めて稀に腸管細胞由来のエンテログルカゴノーマもある。高血糖および特徴的な皮疹(壊死性遊走性紅斑)を引き起こすが、分泌されるグルカゴンの量により口内炎、眼瞼炎、貧血、低アミノ酸血症など多彩な症候を伴う。グルカゴノーマの80%は悪性である。症状発現の平均年齢は50歳、80%の患者は女性である。また、少数の患者では多発性内分泌腫瘍症1型が認められる |
診断の手掛 | グルカゴノーマはグルカゴンを産生するため、症状は糖尿病と同じであるが、しばしば体重減少、正色素性貧血、低アミノ酸血症および低脂血症が認められる。最も顕著な臨床所見は、滑らかで光沢のある朱色の舌と口唇炎を伴う四肢の慢性湿疹(壊死性遊走性紅斑)である。皮膚炎(67~90%)、糖不耐症(40~90%)、体重減少(66~96%)を訴える患者を診たら本症を疑う。 |
主訴 |
紅斑|Erythema/Rubedo 湿疹|Eczema 舌発赤|Flare of tongue 体重減少|Weight loss 皮疹|Eruption/Exanthema 貧血症状|Anemic symptom やせ|Weight loss |
鑑別疾患 |
糖尿病|Diabetes Mellitus 慢性発疹 |
スクリーニング検査 | Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S] |
異常値を示す検査 |
Acetone|アセトン [/S,/U] Glucagon|グルカゴン/膵グルカゴン [/P] |
関連する検査の読み方 |
【グルカゴン】 血中の基準範囲は、40~140pg/mLであるが、1,000pg/mLを超えるものが、90%あり確定診断に用いる。中等度の上昇が腎機能不全、急性膵炎、重度のストレスおよび空腹時でも起こるので、症状との関連を注意深く観察する。グルカゴンは膵ランゲルハンス島α細胞から分泌されるペプチドホルモンで、肝からブドウ糖を放出させ血糖を上昇させる作用があり、インスリンと並んで糖代謝調節に重要な役割を果たしている。 【CBC】 正色素性貧血を認める。 【ケトン体】 陽性になる。 【アセトン】 増加する。 |
検体検査以外の検査計画 | 腹部CT検査、超音波内視鏡検査、MRI検査 |