疾患解説
フリガナ | センテンセイフウシンショウコウグン |
別名 | 先天性風疹 |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Congenital Rubella |
ICD10 | P35.0 |
疾患の概念 | 妊娠中の母子感染により発症する、RNAウイルスである風疹ウイルスの感染症で、先天性白内障、緑内障、網膜症、先天性心疾患、感音性難聴などの症状をもつ児を出産する。風疹は上気道から進入後、ウイルス血症を来し、胎盤などへウイルス播種を起こし、胎児が在胎16週までの期間(特に8~10週目)に感染すると、発症リスクが最も高くなる。先天性風疹症候群は典型的には母親の初感染の結果として生じる。5類感染症である。 |
診断の手掛 | ワクチンの未接種者、風疹感染の既往が無い妊娠女子が、妊娠4ヶ月までに風疹に感染した場合は、胎児に先天異常を発症する可能性がある。診断は、新生児の咽頭、尿からの風疹ウイルスの分離、風疹特異IgM抗体と風疹HI抗体の存在により行う。 |
主訴 |
感音性難聴|Sensoni-neural hearing loss 肝腫大|Hepatomegaly 眼球異常|Oculer abnormalities 紫斑|Purpura 出血傾向|Bleeding tendency/Hemorrhagic diathesis 精神発達遅滞|Mental retardation 難聴|Hearing loss 脾腫|Splenomegaly リンパ節腫脹|Lymphadenopathy 心奇形 |
鑑別疾患 |
白内障 緑内障 網膜症 先天性心疾患 感音性難聴 髄膜脳炎 |
スクリーニング検査 | Immunoglobulin M|免疫グロブリンM/マクログロブリン [/S] |
異常値を示す検査 |
5-HIAA|5-ヒドロキシインドール酢酸 [/S] Hemagglutination Inhibition [/S] Rubella Antibody|風疹ウイルス抗体/風疹ウイルスIgG/風疹ウイルスIgM/抗風疹ウイルス抗体 [/S] Serotonin|セロトニン/5-ヒドロキシトリプタミン [/P] |
関連する検査の読み方 |
【5-HIAA】 中等度に増加することがある。 【セロトニン】 高値になることがある。 【風疹ウイルス抗体】 風疹感染の診断は通常HI法(赤血球凝集抑制性試験)で行っているが、HI法は急性期と回復期のペア血清で行うため、迅速診断が困難である。近年、EIA(酵素免疫測定法)による急性期の特異IgM抗体の測定による単一検体での診断が可能になった。IgM抗体は感染後約1週間でピークとなり、2~3ヶ月後に陰性化する。風疹の問題点は妊娠前半期の初感染により、出生児に先天性風疹症候群を発症することである。このため、妊婦やTORCH症候群の抗体検査は必須の検査である。 【PCR】 生検組織、血液、脳脊髄液の風疹RNAの検出も有用な検査である。 |
検体検査以外の検査計画 | 骨X線検査、眼科学的検査、心機能検査 |