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疾患解説

フリガナ フィラリアショウ
別名
臓器区分 寄生動物疾患
英疾患名 Filariasis
ICD10 E74.9
疾患の概念 フィラリア感染症には皮下フィラリア症としてロア糸状虫症とオンコセルカ症が、また、リンパ系フィラリア症としてバンクロフト糸状虫症、マレー糸状虫症とB.timoriがある。リンパ系糸状虫症は、蚊を介して侵入した感染幼虫がリンパ管に移行し、6~12ヶ月以内に糸状の成虫に発育し、雌の成虫はミクロフィラリアを生み、ミクロフィラリアが血液中を循環し急性、慢性症状を呈する。ロア糸状虫症は、ロア糸状虫によるフィラリア感染症で、限局性血管性浮腫および成虫の結膜下移行などがあり、メクラアブによって伝播される。オンコセルカ症は、回旋糸状虫による感染症で、ブユを介して伝播する。
診断の手掛 バンクロフト糸状虫の流行地であるアメリカ大陸の熱帯、亜熱帯地域、またマレー糸状虫の流行地である東南アジア地域に半年以上滞在後に、急性症状である発熱、リンパ管炎、リンパ節炎を訴える患者を診たら本症を疑う。急性炎症性フィラリア症は、4~7日間のエピソードの間に、発熱とともにリンパ管炎を伴うリンパ節の炎症または急性精巣上体炎および精索炎を発症する。慢性フィラリア症は、潜行性で何年も経てから発症し、殆どの患者で無症候性のリンパ管拡張が起こる。バンクロフト糸状虫は陰嚢水腫と陰嚢象皮病を引き起こすことがある。
主訴 陰嚢水腫|Scrotal hydrocele
関節痛|Arthralgia
血尿|Hematuria
四肢リンパ浮腫|Lymphedema of extremities
蛋白尿|Proteinuria
乳び尿|Chylous urine/Chyluria
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
鑑別疾患 細菌性リンパ管炎
リンパ浮腫
精巣腫瘍
精巣上体結核
鼠径ヘルニア
スクリーニング検査 Rheumatoid Factor|リウマチ因子測定/RAゼラチン凝集反応/リウマチ因子定量 [/S]
異常値を示す検査 Osmolal Gap|浸透圧ギャップ [/U]
関連する検査の読み方 【厚層塗抹標本】
夜間採血した血液Giemsa染色で、ミクロフィラリアが見られる。厚層塗抹は検出感度が高まる。血液の濾過または遠心分離による濃縮法は、血液厚層塗抹標本より感度が高い。血液検体はミクロフィラリア血症のピーク時、すなわちバンクロフト糸状虫の流行地では夜間、マレー糸状虫およびB. timoriが流行地では昼間に採取しなければならない。
【分子生物学的診断】
バンクロフト糸状虫およびマレー糸状虫に対するポリメラーゼ連鎖反応法がある。
【抗原検査】
バンクロフト糸状虫のみが検査可能。
【抗体検査】
活動性のフィラリア感染症がみられる患者では、血中抗フィラリアIgG4濃度が高値となる。しかし、フィラリアと他の蠕虫の間には抗原交差反応性が認められるので、血清学的検査が陽性であっても過去の感染と現在の感染を鑑別することはできない。
【ELISA】
感度は96~100%、特異度はほぼ100%である。昼間に採血した検体でも検査可能である。
【迅速ディップスティク検査】
マレー糸状虫に感度97%、特異度99%である。
【腹水一般検査】
乳び腹水が見られる。
【尿一般検査】
乳び尿が見られる。
【尿沈渣】
高度の乳び尿ではコレステロール結晶が認められることがある。
検体検査以外の検査計画 リンパ管超音波検査、X線検査
疾患

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