疾患解説
フリガナ | コウトウガン |
別名 | 悪性腫瘍(喉頭) |
臓器区分 | 耳鼻咽喉疾患 |
英疾患名 | Cancer of Larynx |
ICD10 | C32.9 |
疾患の概念 | 喉頭部の最も一般的な癌で、90%が扁平上皮癌である。95%以上の患者が喫煙者で、年間15箱の喫煙で、発症の危険性は30倍増加する。原発部位は、声帯、喉頭蓋、下咽頭及び輪状後部である。アルコール乱用、より低い社会経済的地位、男性、60歳以上は、発症のリスクが高い。原発部位は、声帯および声門上の喉頭、最も頻度が低い部位は声門下の喉頭である。 |
診断の手掛 | 症状と徴候は、侵された喉頭の部位により異なり、声帯または声門の癌は、早期に嗄声を生じるので、2週間以上嗄声の続く患者は、喉頭鏡検査を受けるべきである。喉頭蓋と輪状後部癌は、嚥下障害が初発症状である。一般的な症状には、気道閉塞、耳痛、頸部腫瘤、「熱いジャガイモが口に入っているような」声(hot potato voice)などがある。下咽頭癌の20~30%に食道癌の合併が見られる。 |
主訴 |
嚥下障害|Dysphagia 頸部腫瘤|Neck tumor 誤飲|Accidental ingestion 誤嚥|Accidental ingestion/Foreign body aspiration 嗄声|Hoarseness リンパ節腫脹|Lymphadenopathy |
鑑別疾患 |
上咽頭悪性リンパ腫 若年性血管線維腫 アデノイド増殖症 EBウイルス感染症|Epstein-Barr Virus Infection 食道癌|Esophageal Carcinoma |
スクリーニング検査 | Immunoglobulin A|免疫グロブリンA [/S] |
異常値を示す検査 | Hydroxyproline|総ヒドロキシプロリン/ヒドロキシプロリン [/U] |
関連する検査の読み方 |
【EBウイルス抗体】 高値の症例が多い。EBウイルスは一般には唾液を介して伝播するが。新生児では母親からの移行抗体によるが、移行抗体が消失する生後6ヶ月頃から初感染が成立する。2~3歳までには70%が感染し、通常は不顕性感染のまま抗体を獲得するので、成人の抗体陰性は少ない。EBV感染症の診断はEBV特異抗体の検出により可能となる。 |
検体検査以外の検査計画 | 喉頭内視鏡検査、頸部・胸部・腹部CT検査、頸部・胸部・腹部MRI検査、上部消化管内視鏡検査、PET検査、鼻咽喉ファイバースコピー |