疾患解説
フリガナ | ニンシントウニョウビョウ |
別名 | |
臓器区分 | 代謝性疾患 |
英疾患名 | Gestational Diabetes Mellitus(GDM) |
ICD10 | O24.9 |
疾患の概念 | 妊娠中に発症もしくは初めて発見された耐糖能低下で、全妊婦の4~5%に発症するとされている。診断基準は、75g経口糖負荷試験で空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上の3項目中、1ポイント以上をGDMと診断する。妊娠中の糖尿病は、巨大児、難産、妊娠高血圧腎症、自然流産および先天奇形のリスクが上昇する。 |
診断の手掛 | 妊娠糖尿病は、過体重、高インスリン血症、インスリン抵抗性の妊婦またはやせ型、相対的にインスリンの不足している妊婦に発症する確率が高いが、全ての妊婦に対し、妊娠の出来るだけ初期と妊娠24~28週の2回、耐糖能異常のスクリーニング検査を行う。妊娠初期は随時血糖測定、中期は50gOGTTを行う。妊娠糖尿病のリスクファクターは1.家族歴 2.35歳以上 3.3,800g以上の分娩既往 4.原因不明の習慣性早流産 5.原因不明の周産期死亡歴 6.先天奇形児の分娩歴 7.強度の尿糖陽性、もしくは2回以上反復する尿糖陽性 8.肥満 9.羊水過多症 10.妊娠高血圧症候群である。 |
主訴 |
口渇|Thirst 高血糖|Hyperglycemia 多飲|Polydipsia 多尿|Polyuria 脱水|Dehydration |
鑑別疾患 | 糖尿病|Diabetes Mellitus |
スクリーニング検査 |
Glucose|グルコース/血糖/ブドウ糖 [/S] Hemoglobin A1c|グリコヘモグロビン/糖化ヘモグロビン/ヘモグロビンA1c/HbA1c [/S] |
異常値を示す検査 |
Glycoalbumin|グリコアルブミン/糖化アルブミン [/S] Soluble E-Selectin|可溶性E-セレクチン/可溶性CD62E/可溶性ELAM-1 [/S] Soluble Vascular Cell Adhesion Molecule-1|可溶性VCAM-1/可溶性CD106/可溶性血管細胞接着分子-1 [/S] |
関連する検査の読み方 |
【HbA1c】 妊娠前のカウンセリングでは必ず測定する。 【グリコアルブミン】 厳格な血糖値コントロールが必要な場合には有用な検査である。GAはアルブミンにグルコースが結合したもので、アルブミン量、血中グルコース濃度とその代謝速度で値が規定される。アルブミンの半減期は約20日なので、グリコアルブミンはHbA1cより短期間の過去1~3週間の血糖値の平均を反映している。臨床的には血糖コントロールの指標として用いる。また、溶血性疾患や異常ヘモグロビン血症などでHbA1cが測定できない時の代替検査として必須である。不安定糖尿病、糖尿病治療開始後、妊娠糖尿病など、厳密な血糖コントロールが必要な場合はHbA1cと同時測定が望ましい。 |
検体検査以外の検査計画 | 眼科学的検査、心電図検査 |