検査・診断Matrix   ご利用の前に  利用方法  検体略号  参考資料
会員
ログイン
新規
会員登録
会員登録について][登録情報
 HOME > 疾患から選ぶ疾患名 > 疾患解説

疾患解説

フリガナ シンシュウセイカンジダショウ
別名 モニリア症
臓器区分 感染性疾患
英疾患名 Invasive Candidiasis
ICD10 B37.9
疾患の概念 カンジダ症はC.albicans属真菌による感染症で、大部分は皮膚及び粘膜に感染し、真菌感染症の約80%を占める。カンジダは免疫不全患者における最も多い真菌感染症で、最もよく見られる院内感染の一つである。カンジダ属真菌は消化管のほか、皮膚にも生息する共生菌で、他の全身性真菌症とは異なり、カンジダ症は内因性菌が原因で、重大な全身性真菌感染症の約80%を占め、易感染性患者の真菌感染症で最も頻度の高い原因菌である。侵襲性カンジダ症は皮膚粘膜感染、真菌血症時に複数の部位に局所感染を引き起こす。皮膚粘膜カンジダ症はHIV感染患者で高頻度に見られ、癌化学療法中の好中球減少患者では、播種性カンジダ症を発症するリスクが高い。また、長期入院患者ではカンジダ性敗血症がしばしばみられる。
診断の手掛 症状は感染部位により異なるが、HIV感染者、免疫不全患者、好中球が減少した患者、長期入院患者、広域抗菌薬投与患者、造血臓器悪性腫瘍や大手術、重症外傷、広範囲熱症の患者では常にカンジダ症の発症に注意する。症状は感染部位により異なるが、嚥下障害、発熱、咳、血痰、呼吸困難、ショック、乏尿などを訴えたら本症を疑う。カンジダが血液に入ると、発熱を引き起こすが、特異的症状は見られない。一部の患者は、細菌性敗血症に類似する症状を発症し、ショック、乏尿、腎機能不全およびDICなどの劇症経過をたどる。好中球減少のある患者に丘疹結節状の皮膚病変が見られたら、他臓器への広範な血行性播種が起きていることを意味するので注意する。また、全てのカンジダ血症患者に対し眼内炎を調べるための眼科診察が推奨されている。
主訴 嚥下障害|Dysphagia
血痰|Bloody sputum/Hemoptysis
呼吸困難|Dyspnea
ショック|Shock
咳|Cough
発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever
乏尿|Oliguria
鑑別疾患 ウイルス感染症
細菌感染症
真菌症
ニューモシスチス症
肺炎|Pneumonia
スクリーニング検査
異常値を示す検査 Agglutination Tests [Positive/S]
Candida Albicans Antigen|カンジダ抗原/パストレックスカンジダ/プラテリアカンジダ/ユニメディカンジダ [Positive/S]
Candida Albicans Antibody|カンジダ抗体/抗カンジダ抗体 [/S]
Candida Mannan Antigen|カンジダマンナン抗原 [/S]
β-D-Glucan|β-D-グルカン [/B]
関連する検査の読み方 【微生物検査】
病変部の鏡検と培養を行う。鏡検で酵母、仮性菌糸がみられる。カンジダは共生菌であるため、痰、口腔、膣、尿、糞便、皮膚由来の培養は必ずしも侵襲性、進行性感染を意味しない。血液、脳脊髄液、心嚢液、組織生検検体の陽性所見は、全身性感染を示す証拠になる。
【カンジダマンナン抗原】
陽性になる。抗生剤、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤使用者や中心静脈栄養施行患者が原因不明の発熱を来し、しかも細菌感染用の抗生剤に反応しない場合はカンジダ属の感染が強く疑われる。この検査はカンジダ属の抗原を簡易迅速に検出するものである。臨床的には中心静脈栄養を施行されている患者が発熱したとき、抗生剤、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤を使用中の患者で薬剤が無効な発熱を見た場合に検査する。カンジダ抗原検査には易熱性蛋白抗原を検査対象とする迅速診断法であるカンジテックがあるが、感度は低い。
【免疫血清検査】
抗体検査は診断的意義がないので、抗原検査を行う。標的抗原はβ-D-グルカン、マンナン、易熱性糖蛋白、D-アラビニトールなどである。β-D-グルカンは真菌の主要な細胞膜構成成分でカブトガニ血球を凝集させる。この性質を利用し深在性真菌症やニューモシスチス・カリニ肺炎の血液診断に使われる。ただし菌種は同定できない。β-D-グルカンは真菌の主要な細胞膜構成成分でカブトガニ血球を凝集させる。この性質を利用し深在性真菌症やニューモシスチス・カリニ肺炎の血液診断に使われる。ただし菌種は同定できない。D-アラビニトールはカンジダ属の主要代謝産物で、深在性カンジダ症で血中濃度が高くなることが知られている。臨床的には深在性カンジダ症の診断、腸管内のカンジダ異常増殖の予知などに用いる。D-アラビニトールは尿中に排泄されるため、腎機能が低下した患者では高値に出る傾向があるので、クレアチニンとの比を見て評価することが望ましい。
検体検査以外の検査計画 胸部X線検査、消化管X線検査、肝・脾超音波検査、肝・脾CT検査、眼科学的検査

会員の方は、ログインしてご覧ください。
会員登録がまだお済みでない方は[新規登録]ボタンからご登録をお願いいたします。

新規登録 ログイン
上へ

HOME

下へ