疾患解説
フリガナ | コウサンキュウセイキンマクエン |
別名 | |
臓器区分 | 膠原病・免疫疾患 |
英疾患名 | Eosinophilic Fasciitis |
ICD10 | M35.4 |
疾患の概念 | 真皮、皮下組織、深在筋膜の硬化を来す対称性で、痛みを伴う炎症が特徴的な疾患である。臨床的には、原因不明の痛みを伴う炎症、腫脹、腕と脚の硬結を特徴とする好酸球増多症を伴うびまん性の強皮症に似た症候群である。原因は不明で、殆どの場合中年の男性に発症するが、女性および小児に発症することもある。 |
診断の手掛 | 激しい身体活動や運動を行った後に発症する四肢(主に前腕、下腿)の皮膚硬結と好酸球増多を呈する患者を診たら本症を疑う。初発症状は、皮膚と皮下組織の疼痛、腫脹、炎症で、続いて硬結が出現し、特徴的なオレンジの皮のような形状が四肢に生じる。全身性強皮症とはレイノー症状がないことや臓器合併症を起こさないことで鑑別出来る。四肢の紅斑、腫脹、硬化は急速に進展し、皮膚の硬化は対称性であるが、指、足、顔面には病変が無いのが特徴である。稀に再生不良性貧血、血小板減少症、リンパ増殖性の病変を発症するので注意する。 |
主訴 |
足腫脹|Swelling of leg オレンジ皮様徴候|Orange peel-like sign 関節運動障害|Joint movement disorder 紅斑|Erythema/Rubedo 全身倦怠感|General malaise/Fatigue 前腕腫脹|Antebrachial awelling 体重減少|Weight loss 疼痛|Pain/Ache 皮膚硬結|Skin induration 浮腫|Edema/Dropsy 発赤|Flare/Rubor |
鑑別疾患 |
全身性硬化症/強皮症|Systemic Sclerosis/Scleroderma(SSc) 限局性強皮症 多発性筋炎/皮膚筋炎|Polymyositis/Dermatomyositis |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Leukocytes|白血球数 [/B] |
異常値を示す検査 | Myelin Basic Protein|ミエリン塩基性蛋白/EAE起炎性蛋白 [/S] |
関連する検査の読み方 |
【好酸球】 皮膚症状のある患者に好酸球の増加が認められたら、皮膚から筋層まで一括して生検を行う。初期には増加しているが、経過とともに減少していく。 【CK】 筋炎が見られるがCKは基準範囲内である。 【IgG】 多クローン性高γグロブリン血症がみられ、主としてIgGが増加する。 【免疫複合体】 しばしば出現する。ICは血中で抗体と標的抗原が結合したもので、網内系細胞や貪食細胞に取り込まれるが、腎や皮膚組織に沈着すると血管炎、腎炎、関節炎などを引き起こす。 【生検】 罹患した皮膚と筋膜を隣接する筋線維を含むように十分深く穿刺する。好酸球の有無にかかわらず、筋膜の炎症がみられる。 |
検体検査以外の検査計画 | 筋電図検査、MRI検査 |