疾患解説
フリガナ | スポロトリコーシス |
別名 | スポロトリクム症 |
臓器区分 | 感染性疾患 |
英疾患名 | Sporotrichosis |
ICD10 | B42.9 |
疾患の概念 | 腐生性糸状菌のSporothrix schenckiiによつて引き起こされる慢性化膿性・肉芽腫性の皮膚真菌症で農業、花屋、造園師、園芸従事者が植物を介して感染する疾患である。 |
診断の手掛 | リンパ皮膚型感染症が最もよく認められる。一方の手、腕、脚または顔などの露出面に、小型の非圧痛性の丘疹や膿疱が、徐々に増大する徴候を認めたら本症を疑う。臨床的には、単発性の暗紅色の肉芽状の結節が特徴的である。本症を疑えば土壌、ミズゴケ、腐りかけた木への接触暦を訊ねる。園芸家、庭師、農業労働者、木材労働者が、仕事に関係した軽度の外傷の後に、高頻度に発症する。感染後数日または数週間で、感染部位の領域リンパ節がゆっくりと進行性に腫大し、可動性皮下結節を形成する。治療をしないで放置すると、病変を覆う皮膚が発赤し、壊死を起こし、ときに膿瘍、潰瘍化、細菌の重複感染を引き起こす。初期の非播種性段階では、初期病変をクモの咬傷と誤診することがあるので注意する。この疾患のみで合併症がなければ、全身的な感染の症状および徴候を認めない特徴がある。この疾患は、結核菌、非定型抗酸菌、Nocardia属細菌などの局所感染症と鑑別する必要がある。 |
主訴 |
暗赤色皮下結節|Dark red subcutaneous nodule 丘疹|Papule 結節|Node/Tuber/Tuberdle 肉芽腫状結節|Granulomatous node 膿疱|Pustule 皮下結節|Subcutaneous nodule 皮内結節|Intracutaneous nodule |
鑑別疾患 |
非結核性抗酸菌症|Non-Tuberculous Mycobacteria(NTM) 結核 梅毒|Syphilis ノカルジア症 クリプトコッカス症|Cryptococcosis コクシジオイデス症 ブラストミセス症|Blastomycosis 貨幣状湿疹 皮膚腫瘍 黒色真菌感染症 慢性肺炎 |
スクリーニング検査 | Erythrocyte Sedimentation Rate|赤血球沈降速度 [/B] |
異常値を示す検査 | |
関連する検査の読み方 |
【S.schenckii培養】 感染部位に由来する組織の培養が,確定診断となるので、膿、滑液、痰、皮膚生検の培養が診断には必須の検査である、染色法では殆ど見つかることはない。 【抗体検査】 播種性感染、特に髄膜炎の診断に有用である。 |
検体検査以外の検査計画 | Sporotrichin反応 |