疾患解説
| フリガナ | ブラストミセスショウ | 
| 別名 | 
北米ブラストミセス症 ギルクリスト病  | 
| 臓器区分 | 感染性疾患 | 
| 英疾患名 | Blastomycosis | 
| ICD10 | B40.9 | 
| 疾患の概念 | 糸状菌Blastomyces dermatitidis胞子の吸引により引き起こされる肺疾患で、時に血行性に全身に広がることがある。北米の広い範囲が流行地であるが、中東やアフリカでも発生する。輸入感染症として、わが国でも稀に見られる。発症率と重症度は、ヒストプラスマ症やコクシジオイデス真菌症よりは低い日和見感染症である。B.dermatitidisは、動物の排せつ物で汚染された土壌で発育し、吸入された胞子は、肺内で侵襲性酵母に変わり、肺に限局したままのこともあれば、血行性播種で多数の臓器に巣状感染を引き起こすこともある。 | 
| 診断の手掛 | 流行地の居住者あるいは旅行者が、湿性又は乾性の空咳を頻発したり、胸痛、呼吸困難、悪寒、大量の発汗を訴えたら本症を疑う。肺外性播種性のブラストミセス症は、侵された器官により症状は様々であるが、皮膚病変が圧倒的に多い。皮膚に徐々に広がる単発性あるいは多発性の丘疹又は膿疱性丘疹や辺縁部に針先大から直径1mm程度の無痛性粟粒性膿瘍を見たら、本症を強く疑う。 | 
| 主訴 | 
悪寒戦慄|Chill with shivening 丘疹|Papule 胸痛|Chest pain 呼吸困難|Dyspnea 咳|Cough 発汗異常|Dyshidrosis/Paridrosis 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever  | 
| 鑑別疾患 | 
気管支肺炎 基底細胞癌 結核 真菌症 スポロトリクム症 肺腫瘍 ヨード中毒  | 
| スクリーニング検査 | 
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [ ESR|赤血球沈降速度 [ γ-Globulin|γ-グロブリン [ Hematocrit|ヘマトクリット/赤血球容積率 [ Hemoglobin|ヘモグロビン/血色素量 [ Leukocytes|白血球数 [  | 
| 異常値を示す検査 | 
Alkaline Phosphatase|アルカリホスファターゼ/アルカリ性ホスファターゼ [ Blastomyces Dermatitidis Antibody|ブラストミセス抗体/抗ブラストミセス抗体 [  | 
| 関連する検査の読み方 | 
【培養】 感染部位の培養を行い、陽性なら診断は決定的である。顕微鏡的検査も確定診断に有用である。 【Blastmyces抗体】 高感度ではないが、陽性なら診断を支持できる。ブラストミセスは北米、メキシコ、中米、南米で見られる真菌感染症で、わが国には輸入感染症として持ち込まれる可能性がある。呼吸器感染症として発症し血行性に皮膚や骨に広がり、全身感染症になると予後は悪い。臨床的にはブラストミセス症を疑う場合に検査するが、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症でも偽陽性になることがある。  | 
| 検体検査以外の検査計画 | 胸部X線検査 |