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疾患解説

フリガナ タケイトウイシュクショウ
別名
臓器区分 神経・筋疾患
英疾患名 Multiple System Atrophy
ICD10 G90.3
疾患の概念 錐体路、小脳、自律神経の機能不全を起こす進行性の神経変性疾患で、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、Shy-Drager症候群が含まれる。平均発症年齢は約53歳で、男性が女性の約2倍多く、症状出現からの生存期間は約9~10年である。原因は不明であるが、神経細胞変性が脳内で発生し、変性した領域と損傷の程度によって初発症状が異なる。特徴的な所見は、乏突起膠細胞内に認められるα-シヌクレインを含有する細胞質封入体である。
診断の手掛 レボドパ抵抗性のParkinson症状を訴える患者、あるいは小脳症状と自律神経症状の組み合わせを呈する患者を診たら本症を疑う。多くの患者は、自律神経機能障害のみを訴え、他の神経所見は遅れて出現する。線条体黒質変性症では、パーキンソン症状が優勢で、筋強剛、動作緩慢、姿勢不安定、jerkyな姿勢振戦などが見られ、声が高調で震える構音障害も良くみられる。オリーブ橋小脳萎縮症では、小脳の異常が優勢で、運動失調、測定障害、拮抗運動反復障害、協調運動障害,協調運動障害、眼球運動異常などが見られる。自律神経機能障害では、起立性低血圧、尿閉または尿失禁、便秘および勃起障害が生じる。
主訴 運動失調|Ataxia
低血圧|Hypotension/Hypotonia
尿意切迫|Urinary urgency
排尿障害|Urinary disturbance/Dysuria
パーキンソン様症状|Parkinsonian symptom
頻尿|Pollakiuria/Pollakisuria
不随意運動|Involuntary movement
便秘|Constipation
夜間頻尿|Nocturia
鑑別疾患 パーキンソン病|Parkinson's Disease(PD)
Lewy小体型認知症
自律神経障害
進行性核上性麻痺
多発性脳梗塞
薬剤性パーキンソン症候群
脊髄小脳変性症
スクリーニング検査
異常値を示す検査 Amyloid β-Protein|アミロイドβ蛋白 [/CSF]
Amyloid β-Protein Precursor|アミロイドβ蛋白質前駆体 [/CSF]
α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/CSF]
関連する検査の読み方 【診断検査】
確実な診断検査はないが、123I-メタヨードベンジルグアニジンによる核医学検査が多系統萎縮症の疑いを確認する上で役立つ場合がある。
検体検査以外の検査計画 頭部MRI検査、頭部CT検査、排尿機能検査

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