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疾患解説

フリガナ パーキンソンビョウ
別名 パーキンソン症候群
臓器区分 神経・筋疾患
英疾患名 Parkinson's Disease(PD)
ICD10 G20
疾患の概念 パーキンソン病は、安静時振戦、筋強剛、動作緩慢、および歩行または姿勢の不安定性を特徴とする特発性で緩徐に進行する中枢神経系の変性疾患で、初老期に好発する。病理学的には中脳のドパミン作動性細胞群の色素性ニューロンの消失と黒質線条体にシヌクレインに満たされたLewy小体の出現が見られる事である。一部の症例では、常染色体優性または常染色体劣遺の伝的素因が存在する可能性が高く、いくつかの異常遺伝子が同定されている。遺伝性の症例は、発症年齢がより若い傾向があり、経過は晩期発症の非遺伝性PDより良性である。また、約10%の患者にPDの家族歴がある。
診断の手掛 片手の安静時振戦(丸薬丸め振戦)が初発の症状である。振戦が安静時に見られ、運動時に減少し、睡眠時に消失する患者を診たら本症を疑う。筋強剛、安静時振戦、動作緩慢、姿勢不安定が4大症候である。筋強剛は振戦とは独立して生じ、こわばった関節を動かすと強剛の度合いが変動し歯車様硬直と呼ばれる半律動的な動きが生じる。動作緩慢は、典型的であるが、運動減少と無動も見られる。安静時振戦は、しばしば初発症状であり、一側に手に見られる。特徴は、緩徐で粗大で、安静時に最大となり、運動中は軽く、睡眠時に消失し、振幅が緊張や疲労により増加し、母指を示指にすり合わせるように動く丸薬丸め運動が見られることである。姿勢不安定は、PDの後期になって起き、歩き始め、曲がる、停止する動作が困難になる。足を引きずるように歩き、歩幅は小さくなり、腕は腰のところで曲げたままで、一歩毎にほとんど腕を振らない。認知症がPDの後期に起こることがあるが、発症の早期予測因子は、運転中に道に迷うおよび流暢な会話の低下である。睡眠障害もよく見られる。
主訴 運動障害|Dyskinesia
嚥下障害|Dysphagia
仮面様顔貌|Masked face
丸薬丸め振戦|Pill-rolling tremor
筋硬直|Muscle stiffness/Stiffness of muscle
小刻み歩行|Small stepped gait/Brachybasia
誤嚥|Accidental ingestion/Foreign body aspiration
姿勢反射障害|Postural reflex disturbance
振戦|Tremor
認知障害|Cognitive impaorment/Dementia
マイヤーソン徴候|Meyerson syndrome
無動|Akinesia
抑うつ状態|Depressive state
流涎|Sialism/Hygrostomia
鑑別疾患 脳血管障害
脳炎後遺症
硬膜下血腫
多系統萎縮症|Multiple System Atrophy
薬剤性脳障害
中毒性脳障害
脊髄小脳変性症
進行性核上性麻痺
脳腫瘍|Cerebral Tumor
頭部外傷
正常圧水頭症|Normal Pressure Hydrocephalus Syndrome
認知症|Dementia
うつ病|Depression
筋萎縮性側索硬化症|Amyotrophic Lateral Sclerosis(ALS)
薬剤(フェノチアジン、チオキサンテン、クロルプロマジン、ドグマチール)
Lewy小体型認知症
ウィルソン病/肝レンズ核変性症|Wilson's disease/Hepatolenticular Degeneration
スクリーニング検査 Cholinesterase|コリンエステラーゼ/ブチルコリンエステラーゼ/偽コリンエステラーゼ [/CSF]
Uric Acid|尿酸 [/S]
異常値を示す検査 Acetylcholinesterase|アセチルコリンエステラーゼ/赤血球コリンエステラーゼ/真性コリンエステラーゼ [/CSF]
Angiotensin-converting Enzyme|アンギオテンシン変換酵素 [/CSF]
Carnosinase [/S]
Cholecystokinin|コレシストキニン/コレシストキニン・パンクレオザイミン [/CSF]
Choline [/CSF]
Copper|銅 [/CSF]
Cysteine|システイン [/P]
Dopamine β-Hydroxylase|ドーパミンβ-水酸化酵素 [/CSF]
Mitochondrial Complex I [/Platelets]
Mitochondrial Complex II [/Platelets]
Mitochondrial ComplexIII [/Platelets]
Monoamine Oxidase|モノアミンオキシダーゼ [/Platelets]
Somatostatin|ソマトスタチン [/CSF]
Sulfate [/S]
Transforming Growth Factor-β1|形質転換成長因子-β/トランスフォーミング増殖因子-β [/CSF]
Transforming Growth Factor-β2 [/CSF]
Tumor Necrosis Factor-α|腫瘍壊死因子-α [/CSF]
α1-Antichymotrypsin|α1-アンチキモトリプシン [/S]
関連する検査の読み方 【ホモバニリン酸】
髄液中の値は低下する。HVAはドーパおよびドパミンの最終代謝産物でカテコールアミン産生腫瘍である神経芽細胞腫、褐色細胞腫やメラニンを産生する悪性黒色腫では多量に産生される。臨床的にはこれら腫瘍の診断と治療効果判定に血中・尿中のHVA測定が有用である。また、髄液中のHAVはドパミンニューロンの活性を推定する場合に測定する。
【5-HIAA】
髄液中の値は低下する。5-HIAAはセロトニンの主要代謝産物で、血液中の殆どのセロトニンは5-HIAAとして尿中に排泄される。尿中排泄値が高い場合はCarcinoid症候群が強く示唆され診断的有用性が高い。また、脳内のセロトニンは抑制性神経伝達物質として作用しており、髄液中の5-HIAA値は中枢神経系のセロトニン作動性ニューロンの活動性の指標として測定される。バナナの多食で上昇するので採血時に注意する。
【レボドパ試験投与】
レボドパを投与して症状の改善があればパーキンソン病の可能性が高い。
検体検査以外の検査計画 CT検査、MRI検査

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