疾患解説
フリガナ | タンジュンセイコウジョウセンシュ |
別名 |
びまん性非中毒性甲状腺腫 単純性非中毒性甲状腺腫 euthyroid甲状腺腫 |
臓器区分 | 内分泌疾患 |
英疾患名 | Simple Goiter |
ICD10 | E04.0 |
疾患の概念 | 甲状腺機能亢進症、機能低下症または炎症を伴わない、びまん性の甲状腺肥大である。思春期、妊娠中、閉経期に見られるものは原因不明であるが、既知の原因としては内因性甲状腺ホルモン産生欠損、ブロッコリー、カリフラワーなどの甲状腺ホルモン合成抑制物質を含む食品の摂取、甲状腺ホルモン合成を減少させる薬物の使用などがある。この疾患は、甲状腺腫で最も頻度が高く、地方病性甲状腺腫と呼ばれる。代償性に甲状腺刺激ホルモンが、わずかに上昇し、甲状腺機能低下症を防ぐが、このTSH刺激により甲状腺腫が形成される。 |
診断の手掛 | 腫大した圧痛のない甲状腺以外には臨床症状も徴候もない。病初期には、甲状腺は柔らかく左右対称で表面は平滑であるが、後期になると多発性の結節や嚢胞が出現することがある。 |
主訴 |
結節|Node/Tuber/Tuberdle 甲状腺結節|Thyroid nodule 甲状腺腫|Thyroid enlargement/Goiter 前頸部腫瘤|Anterior neck tumor |
鑑別疾患 |
橋本甲状腺炎 バセドウ病 中毒性結節性甲状腺腫 甲状腺癌|Cancer of Thyroid |
スクリーニング検査 |
Eosinophils|好酸球 [/B] Thyroxine (T4)|総サイロキシン/総T4/サイロキシン/チロキシン [/S] Tri-Iodothyronine (T3)|総トリヨードサイロニン/総T3/トリヨードサイロニン/トリヨードチロニン [/S] Thyroid Stimulating Hormone|甲状腺刺激ホルモン [/S, /S] |
異常値を示す検査 |
Antibodies against Megalin [/S] Sex-Hormone Binding Globulin|性ホルモン結合グロブリン [/S] 131 I Uptake|131 I摂取率/放射性ヨウ素摂取率 [/S] |
関連する検査の読み方 |
【131 I摂取率】 基準範囲内か高値を示す。この検査は放射性ヨードカプセルを服用後24時間で甲状腺が摂取する放射性ヨードの量を測定するもので、臨床的にはBasedow病と無痛性甲状腺炎の鑑別、機能性甲状腺結節の診断、アイソトープ治療時のアイソトープ量の決定に用いる。 【TSH】【T4】【T3】 風土病性の場合はTSHはわずかに上昇し、T4は基準値下限かわずかに減少、T3は基準範囲内かわずかに上昇する。 【抗サイログロブリン抗体】 基準範囲以下になることがある。 【抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体】 基準範囲以下になることがある。 |
検体検査以外の検査計画 | 超音波検査、胸部X線検査 |